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March 27, 2014 Vol. 370 No. 13

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ALK 再構成非小細胞肺癌におけるセリチニブ
Ceritinib in ALK-Rearranged Non–Small-Cell Lung Cancer

A.T. Shaw and Others

背景

未分化リンパ腫キナーゼ遺伝子(ALK)再構成を有する非小細胞肺癌(NSCLC)は,ALK 阻害薬クリゾチニブに感受性を示すものの,大多数の患者には耐性が生じる.セリチニブ(ceritinib)(LDK378)は,前臨床試験でクリゾチニブよりも強い抗腫瘍効果を示した新しい ALK 阻害薬である.

方 法

この第 1 相試験では,ALK に遺伝子変化を有する進行癌患者に,50~750 mg のセリチニブを 1 日 1 回経口投与した.拡大期には,患者に最大耐用量を投与した.セリチニブの安全性,薬物動態特性,抗腫瘍活性を明らかにするために患者を評価した.クリゾチニブの投与中に疾患が増悪した NSCLC 患者集団における ALK の耐性変異を同定するため,セリチニブ投与前に腫瘍生検を行った.

結 果

用量漸増期に 59 例の患者を登録した.セリチニブの最大耐用量は 1 日 1 回 750 mg となり,用量制限毒性イベントは,下痢,嘔吐,脱水症状,アミノトランスフェラーゼ値の上昇,低リン酸血症などであった.この期間に続く拡大期には,71 例を追加し,計 130 例を対象とした.セリチニブを 1 日に 400 mg 以上投与された NSCLC 患者 114 例の全奏効率は 58%(95%信頼区間 [CI] 48~67)であった.クリゾチニブ投与歴のある 80 例の奏効率は 56%(95% CI 45~67)であった.奏効は ALK にさまざまな耐性変異のある患者においても,検出可能な変異のない患者においても認められた.セリチニブを 1 日に 400 mg 以上投与された NSCLC 患者の無増悪生存期間中央値は 7.0 ヵ月(95% CI 5.6~9.5)であった.

結 論

セリチニブは,クリゾチニブの投与中に増悪した例を含む進行 ALK 再構成 NSCLC 患者において,ALK の耐性変異の有無にかかわらず高い活性を示した.(Novartis Pharmaceuticals 社ほかから研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 番号:NCT01283516)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2014; 370 : 1189 - 97. )