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May 8, 2014 Vol. 370 No. 19

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造血細胞移植におけるサイトメガロウイルス感染予防を目的としたレテルモビル投与
Letermovir for Cytomegalovirus Prophylaxis in Hematopoietic-Cell Transplantation

R.F. Chemaly and Others

背景

同種造血細胞移植を受けた患者において,サイトメガロウイルス(CMV)感染は疾患と死亡の主な原因である.既存の治療には,臨床的に重大な毒性作用と薬剤耐性による限界がある.

方 法

第 2 相試験において,適合する血縁ドナーまたは非血縁ドナーから同種造血細胞移植を受けた CMV 血清反応陽性患者を対象として, 新たな作用機序をもつ新規抗 CMV 薬レテルモビル(letermovir)(別名 AIC246)が,予防失敗率と失敗するまでの期間に及ぼす効果を評価した.2010 年 3 月~2011 年 10 月に,二重盲検デザインにより,移植レシピエント 131 例を連続する 3 用量のレテルモビルとプラセボに 3:1 の割合で無作為に割り付けた.生着後 12 週間にわたり,レテルモビル 60 mg/日,120 mg/日,240 mg/日,またはマッチさせたプラセボを経口投与した.主要評価項目はあらゆる原因による予防失敗とし,CMV 抗原または DNA の検出,終末器官疾患,その他の理由による試験薬の中止と定義した.患者は,CMV 感染のサーベイランスを週に 1 回受けた.

結 果

あらゆる原因による予防の失敗率は,用量依存的に低下した.予防失敗率は,プラセボ群 64%に対し,レテルモビル 60 mg/日群 48%(P=0.32),120 mg/日群 32%(P=0.01),240 mg 群/日 29%(P=0.007)であった.予防が失敗するまでの期間の Kaplan–Meier 曲線では,レテルモビル 240 mg/日とプラセボとのあいだに有意差が認められた(P=0.002).レテルモビルの安全性プロファイルはプラセボと類似しており,血液毒性や腎毒性の徴候は認められなかった.

結 論

同種造血細胞移植レシピエントにおいて,レテルモビルは,プラセボと比較して CMV 感染の発生率を低下させるのに有効であった.最高用量(240 mg/日)で最大の抗 CMV 活性が認められ,安全性プロファイルは忍容可能であった.(AiCuris 社から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01063829)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2014; 370 : 1781 - 9. )