肝硬変を伴わない慢性 C 型肝炎ウイルス感染に対する 8 週間または 12 週間のレディパスビルとソホスブビル
Ledipasvir and Sofosbuvir for 8 or 12 Weeks for Chronic HCV without Cirrhosis
K.V. Kowdley and Others
C 型肝炎ウイルス(HCV)感染患者において,ヌクレオチドポリメラーゼ阻害薬ソホスブビル(sofosbuvir)と NS5A 阻害薬レディパスビル(ledipasvir)を併用した 12 週間の治療により,高いウイルス排除(sustained virologic response:SVR)率が認められた.この試験では,同レジメンによる 8 週間の治療を検討した.
第 3 相非盲検試験において,肝硬変を伴わない未治療の HCV 遺伝型 1 型感染患者 647 例を,レディパスビルとソホスブビル(レディパスビル・ソホスブビル)を 8 週間投与する群,レディパスビル・ソホスブビル+リバビリンを 8 週間投与する群,レディパスビル・ソホスブビルを 12 週間投与する群のいずれかに無作為に割り付けた.主要評価項目は治療終了後 12 週の時点での SVR とした.
SVR 率は,レディパスビル・ソホスブビル 8 週群で 94%(95%信頼区間 [CI] 90~97),レディパスビル・ソホスブビル+リバビリン 8 週群で 93%(95% CI 89~96),レディパスビル・ソホスブビル 12 週群で 95%(95% CI 92~98)であった.レディパスビル・ソホスブビル 8 週群の SVR 率と比較して,12 週群の SVR 率は 1 パーセントポイント高く(97.5% CI -4~6),レディパスビル・ソホスブビル+リバビリン 8 週群の SVR 率は 1 パーセントポイント低かった(95% CI -6~4).非劣性マージンを 12 パーセントポイントと設定していたため,8 週間のレディパスビル・ソホスブビルレジメンの非劣性が示唆された.有害事象の頻度は,リバビリンを投与した群のほうが投与しなかった 2 群よりも高かった.レディパスビル・ソホスブビルのみを 8 週間投与した群では,有害事象により治療を中止した患者はいなかった.
肝硬変を伴わない未治療の HCV 遺伝型 1 型感染患者において,レディパスビル・ソホスブビルの 8 週間の投与は,高い SVR 率に関連した.このレジメンにリバビリンを加えても,あるいは治療期間を 12 週間に延長しても,さらなる利益は得られなかった.(Gilead Sciences 社から研究助成を受けた.ION-3 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01851330)