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January 16, 2014 Vol. 370 No. 3

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単純ヘルペスウイルス 2 型感染に対するヘリカーゼ‒プライマーゼ阻害薬プリテリビル
Helicase–Primase Inhibitor Pritelivir for HSV-2 Infection

A. Wald and Others

背景

ウイルスのヘリカーゼ–プライマーゼ複合体阻害薬であるプリテリビル(pritelivir)は,in vitro および単純ヘルペスウイルス(HSV)感染動物モデルにおいて抗ウイルス活性を示す.HSV 2 型(HSV-2)による性器ヘルペスを有するがそれ以外は健常な成人において,プリテリビルの有効性と安全性を検証した.

方 法

性器ヘルペスの既往歴がある HSV-2 陽性者 156 例を,経口プリテリビル 5 mg/日群,25 mg/日群,75 mg/日群,400 mg/週群,プラセボ群のいずれかに無作為に割り付け,28 日間投与した.HSV-2 検査のため参加者は性器スワブを毎日採取した.検査はポリメラーゼ連鎖反応法により行った.参加者は性器の徴候・症状も日誌に記録した.主要評価項目は性器における HSV 排出の割合とした.

結 果

HSV 排出が認められた日数の割合は,プラセボ群 16.6%,プリテリビル 5 mg/日群 18.2%,25 mg/日群 9.3%,75 mg/日群 2.1%,400 mg/週群 5.3%であった.プリテリビル群のプラセボ群に対するウイルス排出の相対リスクは,5 mg/日群 1.11(95%信頼区間 [CI] 0.65~1.87),25 mg/日群 0.57(95% CI 0.31~1.03),75 mg/日群 0.13(95% CI 0.04~0.38),400 mg/週群 0.32(95% CI 0.17~0.59)であった.性器病変が認められた日数の割合も有意に減少し,プラセボ群の 9.0%に対して,プリテリビル 75 mg/日群(相対リスク 0.13,95% CI 0.02~0.70)と 400 mg/週群(相対リスク 0.13,95% CI 0.03~0.52)ではともに 1.2%であった.有害事象の発生率は全群で同程度であった.

結 論

性器ヘルペスを有する以外は健常な男女において,プリテリビルは性器における HSV 排出,および病変が認められた日数の割合を用量依存的に減少させた.(AiCuris 社から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 番号:NCT01047540)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2014; 370 : 201 - 10. )