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August 14, 2014 Vol. 371 No. 7

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高齢者における高用量インフルエンザワクチンと標準用量インフルエンザワクチンの有効性の比較
Efficacy of High-Dose versus Standard-Dose Influenza Vaccine in Older Adults

C.A. DiazGranados and Others

背景

65 歳以上の成人では,高用量 3 価不活化インフルエンザワクチン(IIV3-HD)により,標準用量ワクチンと比較してインフルエンザに対する抗体反応が向上する.この研究では,IIV3-HD によって,検査で確認されるインフルエンザ疾患に対する防御効果も向上するかどうかを検討した.

方 法

65 歳以上の成人を対象に,IIV3-HD(株あたりの赤血球凝集素 60μg)と,標準用量 3 価不活化インフルエンザワクチン(IIV3-SD [株あたりの赤血球凝集素 15μg])を比較する第 3b~4 相多施設共同無作為化二重盲検実薬対照試験を行った.相対的な有効性,効果,安全性(重篤な有害事象),免疫原性(赤血球凝集抑制 [HAI] 抗体価)の評価を,2011~12 年(第 1 年)と 2012~13 年(第 2 年)の北半球でのインフルエンザ流行期に行った.

結 果

米国とカナダの 126 の研究施設から 31,989 例を登録した(15,991 例を IIV3-HD 接種群,15,998 例を IIV3-SD 接種群に無作為に割り付けた).intention-to-treat 解析において,IIV3-HD 群の 228 例(1.4%)と IIV3-SD 群の 301 例(1.9%)が,プロトコールで規定したインフルエンザ様疾患に関連するいずれかの型・亜型に起因するインフルエンザに罹患していることが検査で確認された(相対的有効性 24.2%,95%信頼区間 [CI] 9.7~36.5).安全性サーベイランス期間に重篤な有害事象が 1 件以上報告されたのは,IIV3-HD 群では 1,323 例(8.3%)であったのに対し,IIV3-SD 群では 1,442 例(9.0%)であった(相対リスク 0.92,95% CI 0.85~0.99).ワクチン接種後の HAI 抗体価と血清抗体保有率(HAI 抗体価が 1:40 以上であった参加者の割合)は,IIV3-HD 群のほうが有意に高かった.

結 論

65 歳以上の成人において,IIV3-HD は,IIV3-SD と比較して,有意に高い抗体反応を誘導し,検査で確認されるインフルエンザ疾患に対し,より有効な防御効果をもたらした.(Sanofi Pasteur 社から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01427309)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2014; 371 : 635 - 45. )