The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

January 14, 2016 Vol. 374 No. 2

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

鼠径ヘルニアの修復における低価格メッシュの無作為化試験
A Randomized Trial of Low-Cost Mesh in Groin Hernia Repair

J. Löfgren and Others

背景

鼠径ヘルニアの修復には合成メッシュを用いる方法がもっとも有効であるが,この種のメッシュは低所得国,中所得国の多くの患者には高額で負担できない.低価格の代替法として滅菌した蚊帳のメッシュが用いられているが,厳格な検討はなされていない.

方 法

ウガンダの東部地域で,初発片側還納性鼠径ヘルニアの成人男性を対象に,低価格の軽量メッシュによる修復と市販の軽量メッシュによる修復とを比較する二重盲検無作為化比較試験を行った.手術は経験を積んだ 4 名の外科医のうち 1 名が行った.主要評価項目は術後 1 年でのヘルニア再発と,術後合併症とした.

結 果

302 例を登録した.追跡率は術後 2 週の時点で 97.3%,1 年の時点で 95.6%であった.ヘルニア再発は低価格メッシュ群の 1 例(0.7%)に認められ,市販のメッシュ群では認められなかった(絶対リスク差 0.7 パーセントポイント,95%信頼区間 [CI] -1.2~2.6,P=1.0).術後合併症は低価格メッシュ群では 44 例(30.8%),市販のメッシュ群では 44 例(29.7%)に認められた(絶対リスク差 1.0 パーセントポイント,95% CI -9.5~11.6,P=1.0).

結 論

ヘルニアを低価格メッシュで修復した患者と高額な市販の合成メッシュで修復した患者とで,再発率,術後合併症発症率に有意差は認められなかった.(スウェーデン研究評議会ほかから研究助成を受けた.Current Controlled Trials 登録番号 ISRCTN20596933)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2016; 374 : 146 - 53. )