The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

November 17, 2016 Vol. 375 No. 20

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

クローン病の寛解導入および維持療法としてのウステキヌマブ
Ustekinumab as Induction and Maintenance Therapy for Crohn’s Disease

B.G. Feagan and Others

背景

インターロイキン-12 およびインターロイキン-23 の p40 サブユニットに対するモノクローナル抗体であるウステキヌマブを,中等症~重症の活動期クローン病の 2 つの患者集団で,静脈内投与による寛解導入療法として評価した.また,皮下投与による維持療法としても評価した.

方 法

2 件の寛解導入試験で,患者を,ウステキヌマブ(130 mg または約 6 mg/kg)を単回静脈内投与する群とプラセボを投与する群に無作為に割り付けた.UNITI-1 試験は,腫瘍壊死因子(TNF)阻害薬一次無効または二次無効という基準を満たしたか,忍容できない副作用が発現した 741 例を対象とした.UNITI-2 試験は,従来の治療が無効であったか,忍容できない副作用が発現した 628 例を対象とした.これらの寛解導入試験を完了した患者は,IM-UNITI 試験に参加した.この試験では,ウステキヌマブに反応を示した 397 例を,維持療法としてウステキヌマブ 90 mg を皮下投与する群(8 週ごとまたは 12 週ごと)とプラセボを投与する群に無作為に割り付けた.寛解導入試験の主要エンドポイントは,6 週の時点での臨床反応(クローン病活動指数 [CDAI] スコアがベースラインから 100 以上低下,またはCDAI<150 と定義)とした.維持試験の主要エンドポイントは,44 週の時点での寛解(CDAI<150)とした.

結 果

ウステキヌマブを 130 mg で静脈内投与した群と約 6 mg/kg で静脈内投与した群における 6 週の時点での反応率は,プラセボを投与した群と比較して有意に高かった(UNITI-1 試験ではそれぞれ 34.3%,33.7%,21.5%, プラセボとの比較ではいずれも P≦0.003;UNITI-2 試験ではそれぞれ 51.7%,55.5%,28.7%,いずれの比較についても P<0.001).ウステキヌマブを維持用量で 8 週ごとに投与した群と 12 週ごとに投与した群で,44 週の時点で寛解を維持していた割合はそれぞれ 53.1%と 48.8%であったのに対し,プラセボを投与した群では 35.9%であった(それぞれ P=0.005 と P=0.04).いずれの試験でも,有害事象の発現率は群間で同程度であった.

結 論

中等症~重症の活動期クローン病患者で,ウステキヌマブを静脈内投与した例では,プラセボを投与した例と比較して反応率が有意に高かった.ウステキヌマブによる導入療法により臨床反応を示した患者では,皮下投与により寛解が維持された.(Janssen Research and Development 社から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01369329,NCT01369342,NCT01369355)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2016; 375 : 1946 - 60. )