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September 27, 2018 Vol. 379 No. 13

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体液中のジカウイルスの持続 ― 最終報告
Persistence of Zika Virus in Body Fluids — Final Report

G. Paz-Bailey and Others

背景

ヒト体液中でジカウイルス(ZIKV)RNA が検出される頻度と期間を推定するために,プエルトリコで最近感染した参加者のコホートを前向きに評価した.

方 法

強化アルボウイルス臨床監視施設で,逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)法により,尿中または血液中に ZIKV RNA が検出された参加者 295 例(精子検体を提供した男性 94 例を含む)から採取した検体を評価した.血清,尿,唾液,精液,腟分泌液を 1 ヵ月目は週 1 回,その後は 2,4,6 ヵ月目に採取した.すべての検体を RT-PCR で検査し,血清は抗 ZIKV IgM 酵素免疫測定法(ELISA)を用いて検査した.4 週の時点でいずれかの検体で ZIKV RNA が検出された参加者については,その後,すべての検体が検査で陰性になるまで 2 週ごとの採取を継続した.パラメトリック Weibull 回帰モデルを用いて,各体液で ZIKV RNA が検出されなくなるまでの期間を推定した.その結果を中央値と 95 パーセンタイルで報告する.

結 果

血清中の ZIKV RNA が検出されなくなるまでの期間の中央値は 15 日(95%信頼区間 [CI] 14~17),95 パーセンタイルは 41 日(95% CI 37~44),尿中ではそれぞれ 11 日(95% CI 9~12)と 34 日(95% CI 30~38),精液中ではそれぞれ 42 日(95% CI 35~50)と 120 日(95% CI 100~139)であった.唾液中または腟分泌液中に ZIKV RNA が検出された参加者は 5%未満であった.

結 論

この研究で,血清中の ZIKV RNA のクリアランスまでの期間が長かったことは,ZIKV 感染の診断と予防に影響を及ぼす可能性がある.この研究に参加した男性の 95%では,ZIKV RNA は約 4 ヵ月後に精液中から消失した.(米国疾病管理予防センターから研究助成を受けた.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2018; 379 : 1234 - 43. )