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November 1, 2018 Vol. 379 No. 18

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米国の病院における医療関連感染の有病率の変化
Changes in Prevalence of Health Care–Associated Infections in U.S. Hospitals

S.S. Magill and Others

背景

2011 年に米国で行われた時点有病率調査により,入院患者の 4%が医療関連感染を起こしていることが示された.医療関連感染の予防に米国内の注目が集まっていた期間における医療関連感染の有病率の変化を評価する目的で,2015 年に再調査を行った.

方 法

10 州の新興感染症プログラム実施地域で,2011 年の調査に参加した病院を優先に,各地域で最大 25 病院を募集した.各病院が 1 日を選択し,その日に評価のための患者無作為標本を同定した.2011 年の医療関連感染の定義を用いて,訓練を受けたスタッフが診療録を再検討した.医療関連感染患者の割合を比較し,多変量対数二項回帰モデルにより医療関連感染のリスクと調査年との関連を評価した.

結 果

2011 年は 183 病院の 11,282 例を調査したのに対し,2015 年は 199 病院の 12,299 例を調査した.2015 年に医療関連感染を起こしていた患者(394 例 [3.2%,95%信頼区間 {CI} 2.9~3.5])は,2011 年(452 例 [4.0%,95% CI 3.7~4.4])と比較して少なく(P<0.001),これは主に手術部位感染と尿路感染の有病率の低下によるものであった.医療関連感染でとくに頻度が高かったのは,肺炎,消化管感染( 大半は Clostridium difficile [現在は Clostridioides difficile] が原因),手術部位感染であった.2015 年の,医療関連感染を起こす患者側のリスクは,年齢,デバイスの使用,入院から調査までの日数,大規模病院に入院しているという状況で補正すると,2011 年と比較して 16%低下した(リスク比 0.84,95% CI 0.74~0.95,P=0.005).

結 論

医療関連感染の有病率は,2015 年のほうが 2011 年よりも低かった.医療関連感染の予防をさらに進展させるために,C. difficile 感染と肺炎に対する予防戦略を強化すべきである.(米国疾病管理予防センターから研究助成を受けた.)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2018; 379 : 1732 - 44. )