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November 8, 2018 Vol. 379 No. 19

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多発性骨髄腫に対するエロツズマブとポマリドミドおよびデキサメタゾンの併用
Elotuzumab plus Pomalidomide and Dexamethasone for Multiple Myeloma

M.A. Dimopoulos and Others

背景

免疫賦活性モノクローナル抗体エロツズマブとレナリドミドおよびデキサメタゾンとの併用は,再発または難治性の多発性骨髄腫患者に有効であることが示されている.免疫調節薬ポマリドミドとデキサメタゾンの併用は,レナリドミドおよびプロテアソーム阻害薬に反応しない多発性骨髄腫患者に有効であることが示されている.

方 法

レナリドミドおよびプロテアソーム阻害薬に反応しない多発性骨髄腫,または再発しそれらに反応しない多発性骨髄腫の患者を,エロツズマブとポマリドミドおよびデキサメタゾンを併用する群(エロツズマブ群)と,ポマリドミドおよびデキサメタゾンのみを投与する群(対照群)に無作為に割り付けた.主要評価項目は試験担当医師が評価した無増悪生存期間とした.

結 果

117 例がエロツズマブ群(60 例)と対照群(57 例)に無作為に割り付けられた.最短の追跡期間 9.1 ヵ月の時点での無増悪生存期間中央値は,エロツズマブ群では 10.3 ヵ月,対照群では 4.7 ヵ月であった.エロツズマブ群の,対照群と比較した病勢進行または死亡のハザード比は 0.54(95%信頼区間 [CI] 0.34~0.86)であった(P=0.008).全奏効率はエロツズマブ群では 53%であったのに対し,対照群では 26%であった(オッズ比 3.25,95% CI 1.49~7.11).グレード 3 または 4 の有害事象でとくに頻度が高かったのは,好中球減少(エロツズマブ群 13% 対 対照群 27%),貧血(10% 対 20%),高血糖(8% 対 7%)であった.各群 65%が感染症を発症した.注入に伴う反応がエロツズマブ群 3 例(5%)に発現した.

結 論

レナリドミドおよびプロテアソーム阻害薬による治療が失敗した多発性骨髄腫患者のうち,エロツズマブとポマリドミドおよびデキサメタゾンの投与を受けた患者は,ポマリドミドおよびデキサメタゾンのみの投与を受けた患者と比較して,進行または死亡のリスクが有意に低かった.(Bristol-Myers Squibb 社と AbbVie Biotherapeutics 社から研究助成を受けた.ELOQUENT-3 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02654132)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2018; 379 : 1811 - 22. )