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December 13, 2018 Vol. 379 No. 24

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心不全患者に対する経カテーテル僧帽弁修復
Transcatheter Mitral-Valve Repair in Patients with Heart Failure

G.W. Stone and Others

背景

左室機能不全による僧帽弁閉鎖不全症をきたしている心不全患者は,予後が不良である.経カテーテル僧帽弁修復により臨床転帰が改善する可能性がある.

方 法

米国とカナダの 78 施設で,心不全と中等症~重症または重症二次性僧帽弁閉鎖不全症を合併し,ガイドラインに記載されている薬物療法を最大投与量で用いても症状が持続している患者を登録した.患者を,経カテーテル僧帽弁修復+薬物療法を行う群(デバイス群)と薬物療法のみを行う群(対照群)に無作為に割り付けた.主要有効性エンドポイントは,24 ヵ月の追跡期間中の心不全による全入院とした.主要安全性エンドポイントは,12 ヵ月の時点でデバイス関連合併症がないこととし,このエンドポイントを認めた患者の割合を,事前に規定した客観的性能目標である 88.0%と比較した.

結 果

試験に登録された 614 例のうち,302 例がデバイス群に,312 例が対照群に割り付けられた.24 ヵ月のあいだの心不全による全入院の年間発生率は,デバイス群では 1 患者年あたり 35.8%であったのに対し,対照群では 1 患者年あたり 67.9%であった(ハザード比 0.53,95%信頼区間 [CI] 0.40~0.70,P<0.001).12 ヵ月の時点でデバイス関連合併症がない割合は 96.6%(95%信頼限界下限 94.8%)であった(性能目標との比較で P<0.001).24 ヵ月以内の全死因死亡はデバイス群では 29.1%に発生したのに対し,対照群では 46.1%に発生した(ハザード比 0.62,95% CI 0.46~0.82,P<0.001).

結 論

心不全と中等症~重症または重症二次性僧帽弁閉鎖不全症を合併し,ガイドラインに記載されている薬物療法を最大投与量で用いても症状が持続している患者において,経カテーテル僧帽弁修復を施行した例では,薬物療法のみを行った例と比較して,24 ヵ月の追跡期間中の心不全による入院率と全死因死亡率が低くなった.デバイス関連合併症を起こさなかった患者の割合は,事前に規定した安全性の閾値を超えていた.(Abbott 社から研究助成を受けた.COAPT 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01626079)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2018; 379 : 2307 - 18. )