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July 5, 2018 Vol. 379 No. 1

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進行中の進行肝細胞癌患者に対するカボザンチニブ
Cabozantinib in Patients with Advanced and Progressing Hepatocellular Carcinoma

G.K. Abou-Alfa and Others

背景

カボザンチニブ(cabozantinib)は,肝細胞癌の進行と,進行癌の標準的な一次治療薬のソラフェニブに対する耐性発現に関与する,血管内皮増殖因子受容体 1,2,3,MET,AXL などのチロシンキナーゼを阻害する.無作為化二重盲検第 3 相試験で,治療歴のある進行肝細胞癌患者を対象に,カボザンチニブをプラセボと比較評価した.

方 法

患者 707 例を,カボザンチニブ(60 mg 1 日 1 回)を投与する群とマッチさせたプラセボを投与する群に,2:1 の割合で無作為に割り付けた.適格患者は,ソラフェニブによる治療歴があり,肝細胞癌に対する 1 種類以上の全身療法後に進行しており,進行肝細胞癌に対して受けた全身療法は 2 種類までとした.全生存期間を主要評価項目とした.無増悪生存期間と客観的奏効率を副次的評価項目とした.

結 果

計画された 2 回目の中間解析により,全生存期間はカボザンチニブ群のほうがプラセボ群よりも有意に長いことが示された.全生存期間中央値はカボザンチニブ群 10.2 ヵ月,プラセボ群 8.0 ヵ月であった(死亡のハザード比 0.76,95%信頼区間 [CI] 0.63~0.92,P=0.005).無増悪生存期間中央値はカボザンチニブ群 5.2 ヵ月,プラセボ群 1.9 ヵ月であり(病勢進行または死亡のハザード比 0.44,95% CI 0.36~0.52,P<0.001),客観的奏効率はそれぞれ 4%と 1%未満であった(P=0.009).グレード 3 または 4 の有害事象はカボザンチニブ群の 68%とプラセボ群の 36%に発現した.高頻度に認められたグレードの高い事象は,手掌・足底発赤知覚不全(カボザンチニブ群 17% 対 プラセボ群 0%),高血圧(16% 対 2%),アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ値上昇(12% 対 7%),疲労(10% 対 4%),下痢(10% 対 2%)であった.

結 論

治療歴のある進行肝細胞癌患者では,カボザンチニブにより,プラセボと比較して全生存期間と無増悪生存期間が延長した.カボザンチニブ群では,グレードの高い有害事象の発現率がプラセボ群の約 2 倍であった.(Exelixis 社から研究助成を受けた.CELESTIAL 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01908426)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2018; 379 : 54 - 63. )