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April 18, 2019 Vol. 380 No. 16

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発症後まもない心房細動に対する早期除細動と待期的除細動との比較
Early or Delayed Cardioversion in Recent-Onset Atrial Fibrillation

N.A.H.A. Pluymaekers and Others

背景

心房細動を発症してまもない患者は,通常,薬理学的または電気的除細動によって迅速に洞調律に復帰させられる.しかし,心房細動は自然停止することが多いため,心房細動を迅速に洞調律に復帰させることが必要かどうかは明らかではない.

方 法

多施設共同無作為化非盲検非劣性試験で,症候性心房細動で救急部を受診し,血行動態が安定しており,発症後まもない(<36 時間)患者を,経過観察アプローチで治療する群(待期的除細動群)と早期除細動で治療する群に無作為に割り付けた.経過観察アプローチでは,心拍数コントロール薬のみによる初期治療を行い,48 時間以内に心房細動が消失しない場合に待期的除細動を行った.主要エンドポイントは 4 週の時点で洞調律であることとした.主要エンドポイントの群間差の 95%信頼区間下限が -10 パーセントポイントを超える場合に,非劣性が示されることとした.

結 果

4 週の時点で,洞調律は待期的除細動群の 212 例中 193 例(91%)と早期除細動群の 215 例中 202 例(94%)に認められた(群間差 -2.9 パーセントポイント,95%信頼区間 [CI] -8.2~2.2,非劣性の P=0.005).待期的除細動群では,218 例中 150 例(69%)が 48 時間以内に洞調律へ自然に復帰し,61 例(28%)は待期的除細動後に復帰した.早期除細動群では,219 例中 36 例(16%)が除細動開始前に洞調律へ自然に復帰し,171 例(78%)は除細動後に復帰した.4 週間の追跡期間中に遠隔モニタリングを完了した患者では,待期的除細動群の 164 例中 49 例(30%)と早期除細動群の 171 例中 50 例(29%)で心房細動が再発した.無作為化後 4 週間以内に,心血管系の合併症がそれぞれ 10 例と 8 例に発生した.

結 論

発症後まもない症候性心房細動で救急部を受診した患者では,経過観察アプローチは,4 週の時点における洞調律復帰に関して,早期除細動に対して非劣性を示した.(オランダ健康研究開発機構ほかから研究助成を受けた.RACE 7 ACWAS 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02248753)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2019; 380 : 1499 - 508. )