The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

February 14, 2019 Vol. 380 No. 7

電子たばことニコチン代替療法との無作為化比較試験
A Randomized Trial of E-Cigarettes versus Nicotine-Replacement Therapy

P. Hajek and Others

背景

電子たばこは一般に禁煙を目的として使用されるが,禁煙補助薬として承認されているニコチン製品との比較における有効性のエビデンスは限られている.

方 法

英国国民保健サービスの禁煙サービスに参加する成人を,各自選択したニコチン代替製品を,複数の製品を組み合わせる場合も含めて最長 3 ヵ月間提供される群と,電子たばこスターターキット(第二世代詰替え式電子たばこと,ニコチン [18 mg/mL] を含有する電子たばこ用液体 [e-リキッド] 1 本)を提供され,各自選択したフレーバーと濃度の e-リキッドは追加で購入することを推奨される群に無作為に割り付けた.治療として週 1 回の行動支援も少なくとも 4 週間行われた.主要転帰は 1 年間の禁煙継続とし,最終受診時に生化学的に検証した.追跡不能になったか,生化学的検証を行えなかった参加者は,禁煙していないとみなした.副次的転帰は,参加者が報告した製品の使用と呼吸器症状などとした.

結 果

886 例が無作為化された.1 年禁煙率は,電子たばこ群では 18.0%であったのに対し,ニコチン代替群では 9.9%であった(相対リスク 1.83,95%信頼区間 [CI] 1.30~2.58,P<0.001).1 年の時点で禁煙を継続していた参加者のうち,電子たばこ群では,割り付けられた製品を 52 週の時点で使用していた参加者の割合がニコチン代替群よりも高かった(80% [79 例中 63 例] 対 9% [44 例中 4 例]).全体で,咽喉・口腔刺激感が報告された頻度は電子たばこ群のほうが高く(65.3% 対 ニコチン代替群 51.2%),悪心の頻度はニコチン代替群のほうが高かった(37.9% 対 電子たばこ群 31.3%).電子たばこ群では,ベースラインから 52 週までの咳嗽と痰の発現頻度の低下がニコチン代替群よりも大きかった(咳嗽の相対リスク 0.8,95% CI 0.6~0.9,痰の相対リスク 0.7,95% CI 0.6~0.9).喘鳴と息切れの発現頻度に群間で有意差は認められなかった.

結 論

電子たばことニコチン代替製品とでは,いずれも行動支援を併用した場合に,電子たばこのほうがニコチン代替療法よりも禁煙に有効であった.(英国国立健康研究所,キャンサーリサーチ UK から研究助成を受けた.Current Controlled Trials 登録番号 ISRCTN60477608)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2019; 380 : 629 - 37. )