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March 10, 2022 Vol. 386 No. 10

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アフリカとインドの小児の非重症結核に対するより短期のレジメン
Shorter Treatment for Nonsevere Tuberculosis in African and Indian Children

A. Turkova and Others

背景

結核に罹患した小児の 2/3 は重症ではなく,現在の 6 ヵ月間のレジメンよりも短いレジメンで治療できる可能性がある.

方 法

ウガンダ,ザンビア,南アフリカ,インドの喀痰塗抹陰性,症候性非重症結核を有し,薬剤感受性を有すると推測された小児を対象に,治療期間短縮の非劣性を検討する非盲検試験を行った.16 歳未満の小児を,世界保健機関の推奨する,小児結核の固定用量配合剤による標準的な第一選択治療を 4 ヵ月間(16 週間)行う群と,6 ヵ月間(24 週間)行う群に無作為に割り付けた.主要有効性転帰は,72 週までの転帰不良(治療失敗 [治療の延長・変更・再開,結核の再発],治療中の追跡不能,死亡の複合)とし,4 ヵ月間の治療を完了しなかった参加者は除外した(修正 intention-to-treat 集団).非劣性マージンは 6 パーセントポイントとした.主要安全性転帰は,治療中および治療後 30 日以内のグレード 3 以上の有害事象とした.

結 果

2016 年 7 月~2018 年 7 月に,1,204 例が無作為化された(各群 602 例).年齢の中央値は 3.5 歳(範囲 2 ヵ月~15 歳)であり,52%が男児,11%がヒト免疫不全ウイルス陽性であり,14%が細菌学的検査で結核の診断が確定されていた.72 週まで参加した割合は 95%で,割り付けられた治療へのアドヒアランスは 94%であった.主要転帰イベントは,4 ヵ月レジメン群では 16 例(3%)に発生したのに対し,6 ヵ月レジメン群では 18 例(3%)であった(補正後の差 -0.4 パーセントポイント,95%信頼区間 -2.2~1.5).4 ヵ月レジメンの非劣性は,intention-to-treat 解析,per-protocol 解析,ベースラインで結核に罹患していると独立に判定された 958 例(全体の 80%)に限定した解析を含む主な副次的解析で,一貫して認められた.グレード 3 以上の有害事象が 95 例(8%)に発現し,薬物有害反応 15 件が含まれた(11 件が肝イベントで,2 件を除きすべて最初の 8 週間に発生した.この間 2 群は同じ治療を受けていた).

結 論

薬剤感受性を有する喀痰塗抹陰性の非重症結核の小児において,抗結核薬による 4 ヵ月レジメンは,6 ヵ月レジメンに対して非劣性であった.(英国医学研究評議会ほかから研究助成を受けた.SHINE 試験:ISRCTN 登録番号 ISRCTN63579542)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2022; 386 : 911 - 22. )