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March 10, 2022 Vol. 386 No. 10

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ノースカロライナ州における Covid-19 ワクチンの 9 ヵ月間の有効性
Effectiveness of Covid-19 Vaccines over a 9-Month Period in North Carolina

D.-Y. Lin and Others

背景

米国における,新型コロナウイルス感染症(Covid-19)ワクチンの防御効果の持続期間は不明である.2021 年の夏,ワクチン接種後の感染が増加したが,それが免疫の経時的な低下によるものか,B.1.617.2 変異株(デルタ株)の出現によるものか,あるいはその両方によるものかはわかっていない.

方 法

「ノースカロライナ州 Covid-19 サーベイランスシステム」のデータと「Covid-19 ワクチン管理システム」のデータを関連付けて,ノースカロライナ州の住民約 1,060 万人の,9 ヵ月間(2020 年 12 月 11 日~2021 年 9 月 8 日)における Covid-19 関連のワクチン接種と転帰に関するデータを抽出した.Cox 回帰モデルを用いて,BNT162b2(ファイザー社–ビオンテック社),mRNA-1273(モデルナ社),Ad26.COV2.S(ジョンソン・エンド・ジョンソン社–ヤンセン社)の 3 つのワクチンについて,Covid-19,入院,死亡のリスクの低下における有効性を,ワクチン接種後の経過期間の関数として推定した.

結 果

メッセンジャー RNA(mRNA)ワクチンである BNT162b2(1 接種あたり 30μg)と mRNA-1273(1 接種あたり 100μg)の 2 回接種レジメンについては,Covid-19 に対する有効性は,初回接種後 2 ヵ月の時点でそれぞれ 94.5%(95%信頼区間 [CI] 94.1~94.9)と 95.9%(95% CI 95.5~96.2)であり,7 ヵ月の時点でそれぞれ 66.6%(95% CI 65.2~67.8)と 80.3%(95% CI 79.3~81.2)に低下した.BNT162b2 と mRNA-1273 の早期接種者では,デルタ株が優勢になった 6 月中旬~7 月中旬に,有効性はそれぞれ約 15 パーセントポイント,約 10パーセントポイント低下した.Ad26.COV2.S(ウイルス粒子 5×1010 個)の 1 回接種レジメンについては,Covid-19 に対する有効性は 1 ヵ月の時点で 74.8%(95% CI 72.5~76.9)であり,5 ヵ月の時点で 59.4%(95% CI 57.2~61.5)に低下した.3 つのワクチンはいずれも,入院予防と死亡予防については感染予防と比較して良好な有効性が長期にわたり持続したが,防御効果は 2 つの mRNA ワクチンが Ad26.COV2.S ワクチンよりも高かった.

結 論

3 つの Covid-19 ワクチンすべてに,入院リスクと死亡リスクの低下に関して持続する有効性が認められた.感染に対する防御効果の経時的な減弱は,免疫の低下とデルタ株の出現の両方によるものであった.(デニス・ギリングス優秀教授職,米国国立衛生研究所から研究助成を受けた.)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2022; 386 : 933 - 41. )