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November 17, 2022 Vol. 387 No. 20

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心血管疾患におけるリポ蛋白(a)を低下させるための低分子干渉 RNA
Small Interfering RNA to Reduce Lipoprotein(a) in Cardiovascular Disease

M.L. O’Donoghue and Others

背景

リポ蛋白(a)は動脈硬化性心血管疾患の危険因子として推定されている.オルパシラン(olpasiran)は,肝臓におけるリポ蛋白(a)合成を抑制する低分子干渉 RNA である.

方 法

確立された動脈硬化性心血管疾患を有し,リポ蛋白(a)濃度が 150 nmol/L 超の患者を対象として,無作為化二重盲検プラセボ対照用量設定試験を行った.患者を,オルパシランの 4 用量(10 mg を 12 週ごと,75 mg を 12 週ごと,225 mg を 12 週ごと,225 mg を 24 週ごと)のいずれか,またはマッチさせたプラセボに無作為に割り付け,皮下投与を行った.主要エンドポイントは,リポ蛋白(a)濃度のベースラインから 36 週目までの変化量(%)とした(プラセボを補正後の平均変化量 [%] として報告する).安全性も評価した.

結 果

281 例が組み入れられ,ベースライン時のリポ蛋白(a)濃度の中央値は 260.3 nmol/L,低比重リポ蛋白コレステロール濃度の中央値は 67.5 mg/dL であった.ベースラインの時点で,患者の 88%がスタチン療法を受けており,52%がエゼチミブを服用し,23%が前駆蛋白転換酵素サブチリシン/ケキシン 9 型(PCSK9)阻害薬を服用していた.36 週の時点で,プラセボ群ではリポ蛋白(a)濃度が平均 3.6%上昇したのに対し,オルパシラン療法では用量依存的に,有意かつ大幅に低下し,プラセボを補正後の平均変化量(%)は,10 mg 12 週ごと投与群で -70.5%,75 mg 12 週ごと投与群で -97.4%,225 mg 12 週ごと投与群で -101.1%,225 mg 24 週ごと投与群で -100.5%(ベースラインとのすべての比較で P<0.001)であった.有害事象の全体的な発現率は全体で同程度であった.オルパシランに関連する有害事象としてとくに頻度が高かったのは注射部位反応で,主に疼痛であった.

結 論

オルパシラン療法は,確立された動脈硬化性心血管疾患の患者のリポ蛋白(a)濃度を有意に低下させた.心血管疾患に対するオルパシラン療法の効果を明らかにするためには,より長期かつ大規模な試験が必要である.(アムジェン社から研究助成を受けた.OCEAN[a]-DOSE 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT04270760)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2022; 387 : 1855 - 64. )