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November 24, 2022 Vol. 387 No. 21

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慢性 B 型肝炎感染に対するベピロビルセンの有効性と安全性
Efficacy and Safety of Bepirovirsen in Chronic Hepatitis B Infection

M.-F. Yuen and Others

背景

ベピロビルセン(bepirovirsen)は,すべての B 型肝炎ウイルス(HBV)のメッセンジャー RNA を標的とし,ウイルス蛋白量を減少させる作用をもつアンチセンスオリゴヌクレオチドである.

方 法

ヌクレオシドまたはヌクレオチドアナログ(NA)療法を受けている,または受けていない慢性 HBV 感染患者を対象とした第 2b 相無作為化試験を,試験担当医師は非盲検で実施した.参加者を,ベピロビルセン週 1 回 300 mg を 24 週間皮下注射で投与する群(グループ 1),週 1 回 300 mg を 12 週間,その後 150 mg を 12 週間投与する群(グループ 2),週 1 回 300 mg を 12 週間,その後プラセボを 12 週間投与する群(グループ 3),プラセボを 12 週間,その後ベピロビルセン週 1 回 300 mg を 12 週間投与する群(グループ 4)に(3:3:3:1 の割合で)無作為に割り付けた.グループ 1,2,3にはベピロビルセンの負荷投与を行った.複合主要転帰は,ベピロビルセン投与の予定された終了から 24 週間,新たな抗ウイルス薬が開始されることなく,B 型肝炎ウイルス表面抗原(HBsAg)濃度が検出限界未満,HBV DNA 濃度が定量限界未満である状態が維持されることとした.

結 果

intention-to-treat 集団は,457 例(NA 療法を受けていた参加者 227 例,NA 療法を受けていなかった参加者 230 例)であった.NA 療法を受けていた参加者では,主要転帰イベントは,グループ 1 では 6 例(9%,95%信用区間 0~31),グループ 2 では 6 例(9%,95%信用区間 0~43),グループ 3 では 2 例(3%,95%信用区間 0~16),グループ 4 では 0 例(0%,事後信用区間 0~8)に発生した.NA 療法を受けていなかった参加者では,主要転帰イベントは,それぞれ 7 例(10%,95%信用区間 0~38),4 例(6%,95%信用区間 0~25),1 例(1%,事後信用区間 0~6),0 例(0%,事後信用区間 0~8)に発生した.1~12 週目の有害事象として,注射部位反応,発熱,疲労,アラニンアミノトランスフェラーゼ上昇などがみられ,ベピロビルセン(グループ 1,2,3)のほうがプラセボ(グループ 4)よりも頻度が高かった.

結 論

この第 2b 相試験では,ベピロビルセン 300 mg 週 1 回の 24 週間の投与により,慢性 HBV 感染患者の 9~10%で,HBsAg と HBV DNA の持続的減少が得られた.ベピロビルセンの有効性と安全性を評価するためには,より大規模かつ長期の試験が必要である.(GSK 社から研究助成を受けた.B-Clear 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT04449029)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2022; 387 : 1957 - 68. )