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December 22, 2022 Vol. 387 No. 25

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好酸球性食道炎の成人および思春期児に対するデュピルマブ
Dupilumab in Adults and Adolescents with Eosinophilic Esophagitis

E.S. Dellon and Others

背景

完全ヒトモノクローナル抗体であるデュピルマブは,好酸球性食道炎に重要な役割を果たすインターロイキン-4 とインターロイキン-13 のシグナル伝達を阻害する.

方 法

3 つのパートで構成される第 3 相試験を行った.12 歳以上の患者を,パート A では,デュピルマブ 300 mg を週 1 回皮下投与する群と,プラセボを投与する群に 1:1 の割合で無作為に割り付け,パート B では,デュピルマブ 300 mg を週 1 回投与する群,2 週間隔で投与する群,プラセボを週 1 回投与する群に 1:1:1 の割合で無作為に割り付け,24 週まで投与した.パート A または B を完了した適格患者は,パート C に継続して参加した.パート A を完了した患者には,デュピルマブ 300 mg を週 1 回,52 週まで投与した(パート A–C 群).パート B を完了した患者を対象としたパート C は,現在進行中である.24 週の時点での主要エンドポイントは,組織学的寛解(好酸球が強拡大 1 視野あたり 6 個以下)と,嚥下障害症状質問票(DSQ)のスコア(0~84 で,数値が高いほど嚥下障害が高頻度または重度であることを示す)のベースラインからの変化量の 2 つとした.

結 果

パート A では,組織学的寛解はデュピルマブの週 1 回投与を受けた 42 例中 25 例(60%)と,プラセボの投与を受けた 39 例中 2 例(5%)で得られた(差 55 パーセントポイント,95%信頼区間 [CI] 40~71,P<0.001).パート B では,組織学的寛解はデュピルマブの週 1 回投与を受けた 80 例中 47 例(59%),デュピルマブの 2 週間隔投与を受けた 81 例中 49 例(60%),プラセボの投与を受けた 79 例中 5 例(6%)で得られた(デュピルマブ週 1 回とプラセボとの差 54パーセントポイント,95% CI 41~66 [P<0.001];デュピルマブ 2 週間隔とプラセボとの差 56 パーセントポイント,95% CI 43~69 [階層的検定で有意性なし]).ベースライン時の DSQ スコアの平均(±SD)は,パート A が 33.6±12.41,パート B が 36.7±11.22 であった.デュピルマブの週 1 回投与では,プラセボの投与と比較してスコアが改善し,差はパート A が -12.32(95% CI -19.11~-5.54),パート B が -9.92(95% CI -14.81~-5.02)であったが(いずれも P<0.001),デュピルマブの 2 週間隔投与では改善はみられなかった(パート B での差 -0.51,95% CI -5.42~4.41).重篤な有害事象は,パート A または B の投与期間中 9 例に発現し(デュピルマブの週 1 回投与を受けた 7 例,デュピルマブの 2 週間隔投与を受けた 1 例,プラセボの投与を受けた 1 例),パート C の投与期間中には,パート A でプラセボ,パート C でデュピルマブの週 1 回投与を受けたパート A–C 群の 1 例に発現した.

結 論

好酸球性食道炎患者に対するデュピルマブの週 1 回の皮下投与により,組織学的転帰が改善し,症状が軽減した.(サノフィ社,リジェネロン ファーマシューティカルズ社から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT03633617)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2022; 387 : 2317 - 30. )