ピーナッツアレルギーの歩行開始期幼児に対する経皮免疫療法の第 3 相試験
Phase 3 Trial of Epicutaneous Immunotherapy in Toddlers with Peanut Allergy
M. Greenhawt and Others
4 歳未満の小児に対して承認されているピーナッツアレルギーの治療法は存在しない.ピーナッツアレルギーの歩行開始期幼児における,ピーナッツパッチを用いた経皮免疫療法の有効性と安全性は明らかにされていない.
二重盲検プラセボ対照食物負荷試験でピーナッツアレルギーが確認された 1~3 歳児を対象として,第 3 相多施設共同二重盲検無作為化プラセボ対照試験を行った.ピーナッツ蛋白の誘発用量(アレルギー反応を誘発するのに必要な用量)が 300 mg 以下であった患児を,経皮免疫療法としてピーナッツパッチを 1 日 1 回,12 ヵ月間貼付する群(介入群)と,プラセボを貼付する群に 2:1 の割合で割り付けた.主要エンドポイントは,12 ヵ月の時点での治療効果とし,ピーナッツ蛋白の誘発用量を用いて評価した.安全性は,ピーナッツパッチまたはプラセボの使用中に発現した有害事象に基づき評価した.
無作為化された 362 例のうち,84.8%が試験を完了した.主要有効性エンドポイントの結果は,介入群の患児の 67.0%で観察されたのに対し,プラセボ群では 33.5%であった(リスク差 33.4 パーセントポイント,95%信頼区間 22.4~44.5,P<0.001).介入中またはプラセボ使用中に発現した全有害事象(治療に関連するかどうかを問わない)は,介入群では 100%,プラセボ群では 99.2%に観察された.重篤な有害事象は,介入群では 8.6%,プラセボ群では 2.5%に発現し,アナフィラキシーはそれぞれ 7.8%と 3.4%に発現した.治療に関連する重篤な有害事象は,介入群では 0.4%に発現し,プラセボ群では発現しなかった.治療に関連するアナフィラキシーは,介入群では 1.6%に発現し,プラセボ群では発現しなかった.
ピーナッツアレルギーの 1~3 歳児を対象とした試験で,12 ヵ月間の経皮免疫療法は,ピーナッツに対する脱感作と,アレルギー症状を引き起こすピーナッツ量を増加させたという点で,プラセボよりも優れていた.(DBV テクノロジーズ社から研究助成を受けた.EPITOPE 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT03211247)