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May 11, 2023 Vol. 388 No. 19

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腎細胞癌に対するカボザンチニブとニボルマブ+イピリムマブの併用
Cabozantinib plus Nivolumab and Ipilimumab in Renal-Cell Carcinoma

T.K. Choueiri and Others

背景

未治療の進行腎細胞癌患者に対して,カボザンチニブをニボルマブ+イピリムマブと併用投与したときの有効性と安全性は明らかにされていない.

方 法

第 3 相二重盲検試験で,進行淡明細胞型腎細胞癌を有し,これまでに治療を受けたことがなく,予後が国際転移性腎細胞癌データベースコンソーシアム(IMDC)分類で中リスクまたは高リスクの患者を,カボザンチニブ 1 日 40 mg をニボルマブ+イピリムマブと併用投与する群(実験群)と,マッチさせたプラセボをニボルマブ+イピリムマブと併用投与する群(対照群)に無作為に割り付けた.ニボルマブ(3 mg/kg 体重)とイピリムマブ(1 mg/kg)は 3 週間に 1 回,4 サイクル投与した.その後,ニボルマブ維持療法(480 mg を 4 週間に 1 回投与)を最長 2 年間行った.主要エンドポイントは無増悪生存とし,固形癌治療効果判定基準(RECIST)バージョン 1.1 に基づき,盲検下で独立に判定し,無作為化された最初の 550 例を評価対象とした.副次的エンドポイントは全生存とし,無作為化されたすべての患者を評価対象とした.

結 果

全体で 855 例が無作為化され,428 例が実験群,427 例が対照群に割り付けられた.無作為化された最初の 550 例(実験群 276 例,対照群 274 例)において,12 ヵ月の時点での無増悪生存の確率は実験群 0.57,対照群 0.49 であり(病勢進行または死亡のハザード比 0.73,95%信頼区間 0.57~0.94,P=0.01),奏効は実験群の 43%,対照群の 36%に認められた.グレード 3 または 4 の有害事象は,実験群の 79%,対照群の 56%に発現した.全生存の追跡は継続中である.

結 論

未治療の進行腎細胞癌で,予後が中リスクまたは高リスクの患者において,カボザンチニブをニボルマブ+イピリムマブと併用投与したときに,無増悪生存期間はニボルマブ+イピリムマブ単独よりも有意に長くなった.グレード 3 または 4 の有害事象の頻度は,実験群のほうが対照群よりも高かった.(エクセリクス社から研究助成を受けた.COSMIC-313 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT03937219)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2023; 388 : 1767 - 78. )