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March 16, 2023 Vol. 388 No. 11

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動脈管開存症に対する待期的管理と早期イブプロフェン投与との比較
Expectant Management or Early Ibuprofen for Patent Ductus Arteriosus

T. Hundscheid and Others

背景

動脈管開存症(PDA)の乳児にはシクロオキシゲナーゼ阻害薬が用いられることが多いが,その利益は明らかにされていない.

方 法

多施設共同非劣性試験で,心エコーで PDA(動脈管径 1.5 mm 超,左右短絡を伴う)が確認された超早産児(在胎 28 週未満)を,待期的管理を行う群と,早期にイブプロフェン投与を行う群に無作為に割り付けた.主要転帰は,最終月経後週齢 36 週の時点での,壊死性腸炎(ベル分類 IIa 期以上),中等度~重度の気管支肺異形成症,死亡の複合とした.待期的管理の早期イブプロフェン投与に対する非劣性は,絶対リスク差の片側 95%信頼区間の上限が 10 パーセントポイントを下回る場合に示されることとした.

結 果

273 例が無作為化された.在胎期間の中央値は 26 週,出生体重の中央値は 845 g であった.主要転帰イベントは,待期的管理群では 136 例中 63 例(46.3%)に発生し,早期イブプロフェン群では 137 例中 87 例(63.5%)に発生した(絶対リスク差 -17.2 パーセントポイント,片側 95%信頼区間 [CI] の上限 -7.4,非劣性の P<0.001).壊死性腸炎は,待期的管理群の 136 例中 24 例(17.6%)と,早期イブプロフェン群の 137 例中 21 例(15.3%)に発生した(絶対リスク差 2.3 パーセントポイント,両側 95% CI -6.5~11.1).気管支肺異形成症は,それぞれ 117 例中 39 例(33.3%)と 112 例中 57 例(50.9%)に発生した(絶対リスク差 -17.6 パーセントポイント,両側 95% CI -30.2~-5.0).死亡は,それぞれ 136 例中 19 例(14.0%)と 137 例中 25 例(18.2%)に発生した(絶対リスク差 -4.3 パーセントポイント,両側 95% CI -13.0~4.4).その他の有害転帰の発生率は 2 群で同程度であった.

結 論

超早産児の PDA に対する待期的管理は,最終月経後週齢 36 週の時点での壊死性腸炎,気管支肺異形成症,死亡に関して,早期イブプロフェン投与に対して非劣性であった.(オランダ健康研究開発機構,ベルギーヘルスケアナレッジセンターから研究助成を受けた.BeNeDuctus 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02884219,EudraCT 登録番号 2017-001376-28)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2023; 388 : 980 - 90. )