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December 7, 2023 Vol. 389 No. 23

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新たに診断された 1 型糖尿病におけるテプリズマブとβ細胞機能
Teplizumab and β-Cell Function in Newly Diagnosed Type 1 Diabetes

E.L. Ramos and Others

背景

T 細胞上の CD3 に対するヒトモノクローナル抗体であるテプリズマブ(teplizumab)は,1 型糖尿病の前臨床段階(第 2 期)にある 8 歳以上の患者の顕性糖尿病(第 3 期)の発症を遅らせる目的で,米国食品医薬品局に承認されている.1 型糖尿病と新たに診断された患者にテプリズマブを静脈内投与することで,糖尿病の進行を防ぐことができるかどうかは明らかでない.

方 法

第 3 相無作為化プラセボ対照試験で,小児および思春期児を,テプリズマブの 12 日間投与を 2 コース行う群と,プラセボの投与を行う群に割り付け,β細胞機能の維持,臨床エンドポイント,安全性を評価した.主要エンドポイントは,78 週の時点におけるβ細胞機能のベースラインからの変化とし,負荷後の C-ペプチド濃度により評価した.重要な副次的エンドポイントは,目標血糖値を達成するために必要としたインスリン量,糖化ヘモグロビン値,血糖値が目標範囲内にあった時間,臨床的に重要な低血糖イベントとした.

結 果

78 週の時点で,負荷後の C-ペプチド濃度は,テプリズマブの投与を受けた患者(217 例)のほうが,プラセボの投与を受けた患者(111 例)よりも有意に高く(最小二乗平均差 0.13 pmol/mL,95%信頼区間 [CI] 0.09~0.17,P<0.001),臨床的に意味のある最高 C-ペプチド濃度 0.2 pmol/mL 以上を維持していた割合は,テプリズマブの投与を受けた患者では 94.9%(95% CI 89.5~97.6)であったのに対し,プラセボの投与を受けた患者では 79.2%(95% CI 67.7~87.4)であった.重要な副次的エンドポイントに群間で有意差は認められなかった.有害事象は,主にテプリズマブまたはプラセボの投与に伴うもので,頭痛,消化器症状,皮疹,リンパ球減少,軽度のサイトカイン放出症候群などであった.

結 論

1 型糖尿病と新たに診断された小児および思春期児において,テプリズマブの 12 日間投与 2 コースには,主要エンドポイントとしたβ細胞機能の維持に利益が認められたものの,副次的エンドポイントに群間で有意差は認められなかった.(プロベンション・バイオ社,サノフィ社から研究助成を受けた.PROTECT 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT03875729)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2023; 389 : 2151 - 61. )