レポディシラン ̶ リポ蛋白(a)を標的とする長期持続型低分子干渉 RNA
Lepodisiran — A Long-Duration Small Interfering RNA Targeting Lipoprotein(a)
S.E. Nissen and Others
リポ蛋白(a)の上昇は,アテローム動脈硬化性心血管疾患と関連している.肝臓でのリポ蛋白(a)合成を標的とする,長期持続型低分子干渉 RNA レポディシラン(lepodisiran)の安全性と有効性は明らかにされていない.
参加者を,ベースライン時にレポディシランを 16 mg,96 mg,400 mg のいずれかの用量で投与し,180 日目に再投与する群,ベースライン時にレポディシラン 400 mg,180 日目にプラセボを投与する群,ベースライン時と 180 日目にプラセボを投与する群に,1:2:2:2:2 の割合で無作為に割り付け,皮下注射で投与した.主要解析では,ベースライン時にレポディシラン 400 mg の投与を受けた 2 群のデータを統合した.主要評価項目は,60~180 日目の期間における,血清リポ蛋白(a)のベースラインからの時間平均変化率(レポディシラン群のプラセボ群との差 [すなわち,プラセボ補正後])とした.
320 例が無作為化され,ベースライン時のリポ蛋白(a)の中央値は 253.9 nmol/L であった.60~180 日目の,血清リポ蛋白(a)のプラセボ補正後のベースラインからの時間平均変化率は,レポディシラン 16 mg 群で -40.8 パーセントポイント(95%信頼区間 [CI] -55.8~-20.6),96 mg 群で -75.2 パーセントポイント(95% CI -80.4~-68.5),400 mg 統合群で -93.9 パーセントポイント(95% CI -95.1~-92.5)であった.30~360 日目の変化率は,16 mg 群で -41.2 パーセントポイント(95% CI -55.4~-22.4),96 mg 群で -77.2 パーセントポイント(95% CI -81.8~-71.5),400 mg–プラセボ群で -88.5 パーセントポイント(95% CI -90.8~-85.6),400 mg–400 mg 群で -94.8 パーセントポイント(95% CI -95.9~-93.4)であった.重篤な有害事象は 35 例に発現し,試験担当医師がレポディシランまたはプラセボに関連すると判定したものはなかった.注射部位反応は,レポディシラン最高用量群(400 mg–400 mg 群)で最大 12%(69 例中 8 例)と用量依存的に発現し,大部分が軽度であった.
レポディシランにより,投与後 60~180 日目の血清リポ蛋白(a)の平均値が低下した.(イーライリリー社から研究助成を受けた.ALPACA 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT05565742)