2 型糖尿病に対する自動インスリン投与の無作為化試験
A Randomized Trial of Automated Insulin Delivery in Type 2 Diabetes
Y.C. Kudva and Others
自動インスリン投与(AID)システムは,1 型糖尿病患者に利益をもたらすことが示されているが,インスリン治療中の 2 型糖尿病の管理における役割については,無作為化比較試験のデータが必要である.
13 週間の多施設共同試験で,インスリン治療中の 2 型糖尿病の成人を,AID を行う群と,試験前のインスリン投与法を継続する群(対照群)に 2:1 の割合で無作為に割り付けた.両群に持続血糖モニタリング(CGM)を行った.主要転帰は 13 週の時点での糖化ヘモグロビン値とした.
319 例が無作為化された.糖化ヘモグロビン値は,AID 群では 0.9 パーセントポイント低下し(ベースライン時の 8.2±1.4%から 13 週の時点で 7.3±0.9%へ),対照群では 0.3 パーセントポイント低下した(8.1±1.2%から 7.7±1.1%へ)(補正後の平均差 -0.6 パーセントポイント,95%信頼区間 [CI] -0.8~-0.4,P<0.001).血糖値が 70~180 mg/dL の目標範囲内であった時間の割合の平均値は,AID 群では 48±24%から 64±16%に増加し,対照群では 51±21%から 52±21%に増加した(平均差 14 パーセントポイント,95% CI 11~17,P<0.001).多重性を補正後の,高血糖を反映するその他の CGM 測定値はいずれも,AID 群のほうが対照群よりも有意に良好であった.CGM に基づく低血糖の頻度は,両群とも低かった.重症低血糖イベントが AID 群の 1 例に発生した.
インスリン治療中の 2 型糖尿病の成人を対象とした 13 週間の無作為化比較試験で,AID と CGM を行った場合,CGM のみを行った場合よりも,糖化ヘモグロビン値の低下が大きかった.(タンデム・ダイアベティス・ケア社から研究助成を受けた.2IQP 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT05785832)