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May 8, 2025 Vol. 392 No. 18

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コントロール不良の高血圧患者に対するロルンドロスタットの有効性と安全性
Lorundrostat Efficacy and Safety in Patients with Uncontrolled Hypertension

L.J. Laffin and Others

背景

アルドステロンの調節異常は高血圧に寄与している.アルドステロン合成酵素阻害薬であるロルンドロスタット(lorundrostat)の,高血圧患者における有効性と安全性に関するデータは限られている.

方 法

多施設共同二重盲検無作為化プラセボ対照試験で,2~5 種類の降圧薬投与を受けている,外来診察室での血圧が 140/90 mmHg 以上の参加者に,標準化した降圧薬レジメンを 3 週間行った.その後,24 時間自由行動下血圧の平均が 130/80 mmHg 以上の参加者を,プラセボを投与する群,ロルンドロスタットを 1 日 50 mg の一定用量で投与する群(一定用量群),ロルンドロスタットを 1 日 50 mg で開始し,4 週間後に収縮期血圧が 130 mmHg 以上であれば 1 日 100 mg に増量する群(用量調節群)に割り付けた.主要評価項目は,24 時間平均収縮期血圧のベースラインから 12 週目までの変化とし,各ロルンドロスタット群における,プラセボとの最小二乗平均差(プラセボ補正後の変化)で評価した.24 時間平均収縮期血圧のベースラインから 4 週目までの変化を重要な副次的評価項目とし,ロルンドロスタット統合群におけるプラセボ補正後の変化量として評価した.

結 果

285 例が無作為化され,94 例が一定用量群,96 例が用量調節群,95 例がプラセボ群に割り付けられた.平均年齢は 60 歳で,150 例(53%)が黒人であった.12 週間後,24 時間平均収縮期血圧の変化の最小二乗平均は,一定用量群で -15.4 mmHg,用量調節群で -13.9 mmHg,プラセボ群で -7.4 mmHg であった.プラセボ補正後の血圧の変化量は,一定用量群で -7.9 mmHg(97.5%信頼区間 [CI] -13.3~-2.6),用量調節群で -6.5 mmHg(97.5% CI - 11.8~-1.2)であった.ロルンドロスタット統合群における,24 時間平均収縮期血圧のベースラインから 4 週目までのプラセボ補正後の変化量は -5.3 mmHg(95% CI -8.4~-2.3)であった.カリウム濃度が 6.0 mmol/L を超えた参加者は,一定用量群 5 例(5%),用量調節群 7 例(7%),プラセボ群 0 例であった.

結 論

コントロール不良,治療抵抗性の高血圧を有する参加者において,ロルンドロスタットは,24 時間平均血圧の低下がプラセボよりも大きいことと関連した.(ミネラリス セラピューティクス社から研究助成を受けた.Advance-HTN 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT05769608)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2025; 392 : 1813 - 23. )