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May 8, 2025 Vol. 392 No. 18

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リンパ腫に対する CAR-T 細胞療法無効後の強化 CAR-T 細胞療法
Enhanced CAR T-Cell Therapy for Lymphoma after Previous Failure

J. Svoboda and Others

背景

CD19 を標的とするキメラ抗原受容体(CAR)T 細胞は,B 細胞癌の治療を大きく変えたが,長期寛解の得られない患者は多い.抗腫瘍活性を強化するため,インターロイキン-18 を分泌する抗 CD19 強化(武装化)CAR-T 細胞製品(huCART19-IL18)を設計した.

方 法

抗 CD19 CAR-T 細胞療法後に再発または難治となったリンパ腫患者を対象に,huCART19-IL18 の安全性と実行可能性を評価し,有効性を予備的に評価した.製造工程は 3 日間とし,huCART19-IL18 陽性細胞を 3×106~3×108 の範囲で投与した.

結 果

21 例が huCART19-IL18 の投与を受けた.サイトカイン放出症候群が患者の 62%(47%がグレード 1 または 2)に発現し,免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群が 14%(すべてグレード 1 または 2)に発現した.予期せぬ有害事象は認められなかった.すべての用量で CAR-T 細胞の十分な増殖が確認された.注入後 3 ヵ月の時点で,完全奏効または部分奏効は患者の 81%(90%信頼区間 [CI] 62~93)で得られ,完全奏効割合は 52%(90% CI 33~71)であった.追跡期間中央値は 17.5 ヵ月(範囲 3~34),奏効期間の中央値は 9.6 ヵ月(90% CI 5.5~未到達)であった.

結 論

今回の小規模試験では,huCART19-IL18 は,先行する抗 CD19 CAR-T 細胞療法が無効であったリンパ腫患者において,他の CAR-T 細胞療法と安全性プロファイルが一致し,少ない細胞数の投与で有望な有効性を示した.(ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT04684563)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2025; 392 : 1824 - 35. )