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July 3, 2025 Vol. 393 No. 1

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結腸癌に対する術後補助化学療法後の構造化運動プログラム
Structured Exercise after Adjuvant Chemotherapy for Colon Cancer

K.S. Courneya and Others

背景

運動によって,癌の転帰が改善する可能性があることが,前臨床研究と観察研究から示唆されている.しかし,決定的なレベル 1 のエビデンスはない.

方 法

55 施設で第 3 相無作為化試験を行い,結腸癌切除後に術後補助化学療法を完了した患者を,構造化運動プログラムに 3 年間参加する群(運動群)と,健康教育資料を受け取るのみの群(健康教育群)に割り付けた.主要評価項目は無病生存とした.

結 果

2009~24 年に,889 例が無作為化され,運動群(445 例)と健康教育群(444 例)に割り付けられた.追跡期間中央値 7.9 年の時点で,無病生存期間は,運動群のほうが健康教育群よりも有意に長かった(再発,新たな原発癌,死亡のハザード比 0.72;95%信頼区間 [CI] 0.55~0.94;P=0.02).5 年無病生存率は,運動群 80.3%,健康教育群 73.9%であった(差 6.4 パーセントポイント,95% CI 0.6~12.2).全生存期間は,運動群のほうが健康教育群よりも長いことが示された(死亡のハザード比 0.63,95% CI 0.43~0.94).8 年全生存率は,運動群 90.3%,健康教育群 83.2%であった(差 7.1 パーセントポイント,95% CI 1.8~12.3).筋骨格系有害事象の頻度は,運動群のほうが健康教育群よりも高かった(18.5% 対 11.5%).

結 論

結腸癌に対する術後補助化学療法後,3 年間の構造化運動プログラムをただちに開始した場合,健康教育のみを行った場合よりも無病生存期間は有意に長くなり,全生存期間も長くなることが示された.(カナダがん協会ほかから研究助成を受けた.CHALLENGE 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT00819208)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2025; 393 : 13 - 25. )