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July 3, 2025 Vol. 393 No. 1

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肥満治療のためのチルゼパチドとセマグルチドとの比較
Tirzepatide as Compared with Semaglutide for the Treatment of Obesity

L.J. Aronne and Others

背景

チルゼパチドとセマグルチドは,肥満の管理に非常に有効な薬剤である.肥満であるが 2 型糖尿病ではない成人におけるチルゼパチドの,セマグルチドと比較した有効性と安全性は明らかにされていない.

方 法

第 3b 相非盲検比較試験で,肥満であるが 2 型糖尿病ではない成人を,チルゼパチドを最大耐用量(10 mg または 15 mg)で週 1 回,72 週間皮下投与する群と,セマグルチドを最大耐用量(1.7 mg または 2.4 mg)で週 1 回,72 週間皮下投与する群に,1:1 の割合で無作為に割り付けた.主要評価項目は,ベースラインから 72 週までの体重の変化率とした.ベースラインから 72 週までの 10%以上の体重減少,15%以上の体重減少,20%以上の体重減少,25%以上の体重減少や,ベースラインから 72 週までの腹囲の変化量などを重要な副次的評価項目とした.

結 果

751 例が無作為化された.72 週の時点での体重の変化率の最小二乗平均値は,チルゼパチド群 -20.2%(95%信頼区間 [CI] -21.4~-19.1),セマグルチド群 -13.7%(95% CI -14.9~-12.6)であった(P<0.001).腹囲の変化量の最小二乗平均値は,チルゼパチド群 -18.4 cm(95% CI -19.6~-17.2),セマグルチド群 -13.0 cm(95% CI -14.3~-11.7)であった(P<0.001).体重が 10%以上減少,15%以上減少,20%以上減少,25%以上減少する確率は,チルゼパチド群の参加者のほうがセマグルチド群の参加者よりも高かった.両群でとくに頻度の高かった有害事象は消化器系の事象であり,大部分は軽度~中等度で,主に用量漸増中に発現した.

結 論

肥満であるが糖尿病ではない参加者において,チルゼパチドは,72 週の時点での体重減少と腹囲減少に関して,セマグルチドに対する優越性を示した.(イーライリリー社から研究助成を受けた.SURMOUNT-5 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT05822830)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2025; 393 : 26 - 36. )