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October 9, 2025 Vol. 393 No. 14

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コントロール不良または治療抵抗性の高血圧に対するバクスドロスタットの有効性と安全性
Efficacy and Safety of Baxdrostat in Uncontrolled and Resistant Hypertension

J.M. Flack and Others

背景

アルドステロンの調節異常は,コントロール困難な高血圧の病因として重要な役割を果たしている.いくつかの試験で,アルドステロン合成酵素阻害薬バクスドロスタット(baxdrostat)は,コントロール不良または治療抵抗性の高血圧患者の座位収縮期血圧を低下させた.

方 法

第 3 相国際共同二重盲検無作為化プラセボ対照試験で,利尿薬を含む 2 種類の降圧薬投与を継続しているにもかかわらず座位収縮期血圧が 140 mmHg 以上 170 mmHg 未満(コントロール不良高血圧)の患者,または利尿薬を含む 3 種類以上の降圧薬投与を継続しているにもかかわらず座位収縮期血圧が 140 mmHg 以上 170 mmHg 未満(治療抵抗性高血圧)の患者を登録した.2 週間のプラセボ導入期間後,座位収縮期血圧 135 mmHg 以上の患者を,バクスドロスタット 1 mg を投与する群,2 mg を投与する群,プラセボを投与する群に 1:1:1 の割合で無作為に割り付け,1 日 1 回,12 週間投与した.主要評価項目は,座位収縮期血圧のベースラインから 12 週までの変化量とした.

結 果

796 例が無作為化され,794 例が,基礎治療に加えてバクスドロスタット 1 mg(264 例),2 mg(266 例),プラセボ(264 例)のいずれかの投与を受けた.12 週の時点で,座位収縮期血圧のベースラインからの変化量の最小二乗平均は,バクスドロスタット 1 mg 群で -14.5 mmHg(95%信頼区間 [CI] -16.5~-12.5),2 mg 群で-15.7 mmHg(95% CI -17.6~-13.7),プラセボ群で -5.8 mmHg(95% CI -7.9~-3.8)であった.プラセボ群との差(プラセボ補正後の差)の推定値は,バクスドロスタット 1 mg 群で -8.7 mmHg(95% CI -11.5~-5.8),2 mg 群で -9.8 mmHg(95% CI -12.6~-7.0)であった(いずれの比較も P<0.001).6.0 mmol/L を超えるカリウム濃度が,バクスドロスタット 1 mg 群の 6 例(2.3%),2 mg 群の 8 例(3.0%),プラセボ群の 1 例(0.4%)で報告された.

結 論

コントロール不良または治療抵抗性の高血圧患者のうち,基礎治療にバクスドロスタットを追加した患者では,プラセボを追加した患者と比較して,12 週の時点での座位収縮期血圧が有意に低かった.(アストラゼネカ社ほかから研究助成を受けた.BaxHTN 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT06034743)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2025; 393 : 1363 - 74. )