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August 14, 2025 Vol. 393 No. 7

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過体重または肥満の成人に対するカグリリンチドとセマグルチドの同時投与
Coadministered Cagrilintide and Semaglutide in Adults with Overweight or Obesity

W.T. Garvey and Others

背景

セマグルチド 2.4 mg は体重減少と心血管系への利益が確立されており,カグリリンチド(cagrilintide)2.4 mg は早期試験で有望な結果を示している.これらの配合剤(カグリセマ [CagriSema] として知られる)の,合併症を伴う過体重者または肥満者の体重減少における有効性は明らかにされていない.

方 法

68 週間の第 3a 相多施設共同二重盲検プラセボ対照・実薬対照試験で,体格指数(BMI;体重 [kg]/身長 [m]2)30 以上,または BMI 27 以上で肥満関連合併症を 1 つ以上有し,糖尿病を有しない成人を登録した.参加者を,セマグルチド 2.4 mg とカグリリンチド 2.4 mg の配合剤を投与する群,セマグルチド 2.4 mg を単独投与する群,カグリリンチド 2.4 mg を単独投与する群,プラセボを投与する群に 21:3:3:7 の割合で無作為に割り付けた.全群に生活習慣介入を行った.主要評価項目は,体重のベースラインから 68 週までの相対変化率と,5%以上の減少の複合とし,カグリリンチド・セマグルチド群とプラセボ群とを比較した.体重の 20%以上の減少,25%以上の減少,30%以上の減少などを確認的副次的評価項目とした.効果の推定値は,治療方針に基づく推定対象(estimand)(intention-to-treat の原則と一致)を用いて評価した.安全性を評価した.

結 果

3,417 例が無作為化され,2,108 例がカグリリンチド・セマグルチド群,302 例がセマグルチド群,302 例がカグリリンチド群,705 例がプラセボ群に割り付けられた.体重のベースラインから 68 週までの平均変化率の推定値は,カグリリンチド・セマグルチド群では -20.4%であったのに対し,プラセボ群では -3.0%であった(差の推定値 -17.3 パーセントポイント,95%信頼区間 -18.1~-16.6,P<0.001).カグリリンチド・セマグルチド群は,プラセボ群よりも,目標値である体重の 5%以上の減少,20%以上の減少,25%以上の減少,30%以上の減少を達成した参加者の割合が高かった(プラセボとの比較ですべて P<0.001).悪心,嘔吐,下痢,便秘,腹痛などの消化器系有害事象の報告頻度が高かったが(カグリリンチド・セマグルチド群 79.6%,プラセボ群 39.9%),大部分は一過性で,軽度~中等度であった.

結 論

過体重または肥満の成人に対するカグリリンチド・セマグルチド配合剤の投与により,プラセボの投与と比較して,有意かつ臨床的に重要な体重減少が得られた.(ノボ ノルディスク社から研究助成を受けた.REDEFINE 1 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT05567796)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2025; 393 : 635 - 47. )