The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

March 20, 2003
Vol. 348 No. 12

ORIGINAL ARTICLES

  • 肥満の臨床スペクトルとメラノコルチン 4 受容体遺伝子の変異
    Clinical Spectrum of Obesity and Mutations in the Melanocortin 4 Receptor Gene

    メラノコルチン 4 受容体(MC4R)欠損は,単一遺伝子による肥満でもっともよくみられる形である.その臨床スペクトルおよび遺伝様式を調べるため,重度小児肥満の発端者 500 例において MC4R 遺伝子のヌクレオチド配列を明らかにした.29 例で MC4R に変異があり,このうち 23 例がヘテロ接合型,6 例がホモ接合型だった.ホモ接合型はヘテロ接合型よりも重症度が高かった.
    MC4R の変異は共優性形式で遺伝する,顕著なヒト肥満症候群を引き起す.

  • 過食とメラノコルチン 4 受容体遺伝子の突然変異
    Binge Eating and Mutations in the Melanocortin 4 Receptor Gene

    メラノコルチン 4 受容体(MC4R),レプチン受容体,プロオピオメラノコルチン受容体の遺伝子における突然変異は,単一遺伝子性肥満の潜在的な原因として同定されている.この研究では,重症肥満患者の表現型データと食行動を検討した.過食は,MC4R 突然変異をもつすべての被験者の特徴であったが,他の突然変異をもつ被験者の特徴ではなかった.
    MC4R は,食行動を調節する遺伝子の候補と考えられる.

ORIGINAL ARTICLE

  • 急性冠症候群における可溶性 CD40 リガンド
    Soluble CD40 Ligand in Acute Coronary Syndromes

    CD40 リガンドは活性化した血小板から遊離され,炎症や凝固を促進する.急性冠症候群患者に関するこの研究では,血清中の可溶性 CD40 リガンド濃度の上昇が,死亡や非致命的な心筋梗塞のリスクの増加と関連していた.可溶性 CD40 リガンド濃度の上昇は,糖蛋白 IIb/IIIa 受容体阻害薬であるアブシキシマブへの有益な臨床反応も予測した.
    急性冠症候群において可溶性 CD40 リガンドを測定することにより,アブシキシマブ療法から利益を受けられる可能性がもっとも高い患者を,この治療の対象とすることが可能になるかもしれない.

  • 肺炎球菌性結膜炎の集団発生
    An Outbreak of Pneumococcal Conjunctivitis

    2002 年の冬,ニューハンプシャー州にあるダートマス大学で,1 年生の 22%を含む学生 698 人に結膜炎が集団発生した.危険因子は,罹患した学生との接触,コンタクトレンズの装着,男子学生・女子学生クラブハウスへの訪問またはそこでの生活などであった.感染対策の開始後および春休み後に,集団発生は収まった.
    この大規模集団発生は,無莢膜肺炎球菌が原因であった.この集団発生を起した菌株は,1980 年に大学生で起きた,同様な集団発生に関与した菌株と同一であった.

MECHANISMS OF DISEASE

  • クロモグラニン・セクレトグラニンファミリー
    The Chromogranin-Secretogranin Family

    クロモグラニン・セクレトグラニンファミリー

    クロモグラニン・セクレトグラニンファミリーを構成するペプチドホルモン,生体アミン,神経伝達物質は,神経内分泌系およびさまざまなニューロン内の小胞に封入されている.クロモグラニン A に代表されるこれらのグラニンは,交感神経副腎活性に関与し,神経内分泌系腫瘍,とくに褐色細胞腫のマーカーとして利用される.

CURRENT CONCEPTS

  • 中心静脈カテーテル法
    Central Venous Catheterization

    中心静脈カテーテルにより,非侵襲手段では正確に測定できない血行力学的な変数が測定可能になる.また,薬剤輸送や栄養補給も可能にする.しかし,中心静脈カテーテルの使用に関連して,患者の 15%以上が,機械による合併症,感染性・血栓性の合併症といった,重篤な合併症を呈する.この概説では,そのような合併症の発生率を最小限に抑える方法を説明している.本文に添えられた画像では,内頸経路や鎖骨下経路によるカテーテル挿入技術が示されている.

SOUNDING BOARD

  • 人種とゲノム学研究と臨床診療における人種
    Race and Genomics Race in Research and Clinical Practice

    これら 2 つの論文では,生物医学研究や臨床診療における人種の概念の有用性について,対照的な意見を提示している.

CORRESPONDENCE

  • 心筋梗塞のリスクと遺伝子多型

  • 食道癌の外科的治療

  • ニューギニアにおけるフィラリア症の集団治療

  • 高頻度換気法

  • 腸チフス

  • 医療過誤に対する医師と一般市民の見方

  • 重症敗血症に対する低用量ヘパリン

  • PR 間隔とファブリー病治療に対する反応

  • ビスフォスフォネートと眼の炎症