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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

June 12, 2003
Vol. 348 No. 24

ORIGINAL ARTICLE

  • 早産の予防
    Prevention of Preterm Delivery

    早産の予防

    早産の既往のある女性はその後の妊娠で再発するリスクが高く,リスクの効果的な低減策はない.この無作為プラセボ対照試験において,週 1 回の 17α -カプロン酸ヒドロキシプロゲステロンの注射により,このような高リスクの女性において,妊娠 37 週以前の分娩のリスクが 1/3 減少した.
    この薬剤による治療で,高リスクの女性とその出産児において,早産およびそれに付随する合併症が大幅に減少する可能性がある.

ORIGINAL ARTICLES

  • 進行期ホジキン病に対する標準用量および増量 BEACOPP と COPP-ABVD の比較
    Standard and Increased-Dose BEACOPP Compared with COPP-ABVD for Advanced Hodgkin's Disease

    進行期ホジキン病は,化学療法によるコントロールや治療が困難である.この大規模試験では 3 つの療法を比較した.そのうち 1 つは,標準用量以上のシクロホスファミド,エトポシド,およびドキソルビシンを含む療法であった.増量療法は,通常の化学療法に比べて 5 年生存率を有意に改善した.
    初期のホジキン病は治癒できることが多いが,疾患の後期は依然として難題である.併用化学療法が最近多様化したことで,状況が改善されている.この報告は,これらの新しい試みを代表するものである.

  • 進行期ホジキンリンパ腫に対する罹患局所の放射線療法
    Involved-Field Radiotherapy for Advanced Hodgkin's Lymphoma

    化学療法後に完全寛解が得られた進行期ホジキンリンパ腫患者を,罹患局所放射線療法を行う群または追加治療を行わない群に無作為に割付けた.中央値 6 年以上の追跡調査期間で,2 群の生存率はほぼ同じであった.
    慎重に行われたこの試験は,併用化学療法により完全寛解が得られた進行期ホジキンリンパ腫患者に対して,罹患局所放射線療法が付加的な利益を与えないことを確認している.

ORIGINAL ARTICLE

  • 高血圧治療を受けた患者における携帯型血圧測定
    Ambulatory Blood-Pressure Measurements in Patients with Treated Hypertension

    治療を受けたことのある高血圧患者を対象としたこの前向き多施設共同研究では,診察室で測定した血圧や他の心血管系危険因子を補正したあとでも,携帯型血圧測定の値から,5 年の追跡期間における心血管イベントのリスクを予測することができた.
    24 時間の携帯型血圧測定は,治療を受けた高血圧患者の心血管リスクに基づく層別化を向上させるために行われる可能性がある.しかし,こうした測定法がそのような患者のケアにおいて果す役割はまだ不明である.

  • 慢性肉芽腫症における真菌感染の予防
    Preventing Fungal Infections in Chronic Granulomatous Disease

    小児期の慢性肉芽腫症では,過酸化水素の産生が不足しているため,微生物に対する殺菌作用が損なわれている.この対照試験では,患者 39 例が 1 日 1 回のイトラコナゾールまたはプラセボのいずれかによる治療を毎年交互に受けた.プラセボ治療の期間中には 7 例に,イトラコナゾール治療の期間中には 1 例のみに重篤な感染がみられた.
    この食細胞のまれな障害では,インターフェロンγや抗菌薬の予防的使用が細菌感染の予防に役立つ.イトラコナゾールの 1 日 1 回の投与が重篤な真菌感染の予防に役立つ可能性がある.

CURRENT CONCEPTS

  • ライム病をどのようにして予防できるか?
    How Can We Prevent Lyme Disease?

    毎年 75,000 例以上のライム病症例が欧米で報告されている.ダニ刺咬後に行う予防療法は,一次予防のほんの一手順にすぎない.他の方策として,ダニの検査,ダニ駆除薬の使用,増殖の管理,防虫薬の使用,シカおよび齧歯動物の数を減らすための手段があげられる.ダニの数を減らすことが,あらゆるダニ媒介性疾患の予防に役立つ可能性がある.

DRUG THERAPY

  • 乳癌に対するアロマターゼ阻害剤
    Aromatase Inhibitors in Breast Cancer

    最近まで,非ステロイド性抗エストロゲン剤であるタモキシフェンが乳癌の内分泌治療の柱であった.しかし,新たに登場したアロマターゼ阻害剤が,初期のアミノグルテチミドよりも何倍も強力かつ特異的であり,閉経後女性の乳癌の管理を変化させている.この総説では,レトロゾール(letrozole),アナストロゾール,エキセメスタンなどのアロマターゼ阻害剤の乳癌治療における役割について述べている.

CORRESPONDENCE

  • 再発性潰瘍出血の予防のためのセレコキシブとジクロフェナク+オメプラゾール併用の比較

  • アスピリンと大腸癌の予防

  • B 型肝炎 e 抗原陽性のB 型肝炎に対するアデフォビル・ジピボキシル

  • 石灰化した左心室瘤

  • 症例 9-2003:縦隔胚細胞性腫瘍

  • 南アフリカ共和国における健康への権利とネビラピン裁判

  • 急性のアセトアミノフェン過剰投与に対する 20 時間の治療

  • ライム病の主症状と治療転帰