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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

October 28, 2004
Vol. 351 No. 18

ORIGINAL ARTICLE

  • インターンの長時間勤務と注意力の欠如
    Extended Work Hours and Attentional Failures of Interns

    この研究では,集中治療室(ICU)で勤務するインターンの睡眠について,従来のスケジュール(3 日ごとの当直)での勤務と,予定された連続勤務時間を 16 時間に制限した介入スケジュールでの勤務とを評価した.介入スケジュールの場合,ICU に必要なインターンは,3 人ではなく 4 人であった.睡眠ポリグラフで確認したところ,介入スケジュールでは,インターンはより長時間睡眠をとり,注意力の欠如がより少なかった.
    ICU で勤務するインターンでは,勤務時間を短くし,長時間勤務シフトをなくすよう調整したスケジュールで勤務を行うほうが,夜勤時の注意力が高かった.

  • 長時間勤務とインターンによる重大な医療過誤
    Extended Work Hours and Serious Medical Errors by Interns

    長時間勤務とインターンによる重大な医療過誤

    集中治療室で勤務するインターンの医療過誤に関するこの研究では,従来のスケジュール(3 日ごとの当直)で勤務しているインターンのほうが,予定された連続勤務時間を約 16 時間に制限したスケジュールで勤務しているインターンよりも,重大な医療過誤が 36%も多かった.過誤のほとんどは,未然に防がれたか,あるいは患者に害を与えなかった.

  • 成人における市中感染性の細菌性髄膜炎
    Community-Acquired Bacterial Meningitis in Adults

    このオランダで行われた全国規模の前向き研究では,696 例の細菌性髄膜炎のうち,発熱,項部硬直,精神状態の変化という典型的三徴候がみられたのは半数未満であった.全死亡率は 21%であったが,生存者のうち 10%以上に,難聴や片側不全麻痺などの身体障害がみられた.
    新しいワクチンが広範に使用されているため,成人の細菌性髄膜炎の様相が変化している.現在では肺炎球菌が主たる原因菌で,死亡率と合併症の発生率は依然高く,とくに免疫不全状態の患者で高い.

DRUG THERAPY

  • 多発性骨髄腫の治療
    Treatment of Multiple Myeloma

    多発性骨髄腫の治療

    多発性骨髄腫は,骨破壊,腎不全,貧血,高カルシウム血症を特徴とする形質細胞腫であり,いまだに不治である.しかし,治療法における最近の進展,とくにサリドマイドや,ボルテゾミブ,CC-5013 など新規薬剤を使用する方法には期待がもたれている.この論文では,多発性骨髄腫の最近の治療法について論じている.

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • てんかん発作を呈し前頭葉に病変を有する男性
    A Man with a Seizure and a Frontal-Lobe Brain Lesion

    てんかん発作を呈し前頭葉に病変を有する男性

    34 歳の男性が,意識を失い,てんかん発作を起しているところを発見された.画像検査では,右前頭葉に悪性腫瘍の特徴を伴う病変が認められた.著者らは,悪性神経膠腫の診断と管理に対する新たな取り組みについて論じている.

HEALTH POLICY REPORT

  • 医師と製薬会社
    Doctors and Drug Companies

    この論文で,Blumenthal は,現在の医師と製薬業界の関係の性質について述べている.報告は,金銭的関係――贈物,接待,顧問料,講演料を含む可能性がある――が,医師の処方決定にどのように影響するのか,また,医師と製薬会社との関係が,将来どのように変る可能性があるのかについて分析している.

LEGAL ISSUES IN MEDICINE

  • 医師の製薬業界との関係における金銭的利害の対立
    Financial Conflicts of Interest in Physicians' Relationships with the Pharmaceutical Industry

    Studdert らは,医師と製薬業界のあいだの金銭関係に関する規制強化を目的とした,連邦政府と専門機関による最近の活動について述べている.製薬会社からの医師への支払い(贈物や顧問料を含む)は,それを受けた医師がその企業の製品を処方する回数をふやす可能性がある場合,連邦政府の反キックバック法違反となる.監査局,米国製薬工業協会,および医師団体は,これまで一般的であった多様な金銭的関係を禁止するガイドラインを発表している.

CLINICAL IMPLICATIONS OF BASIC RESEARCH

  • マラリアに対するゲノム学的アプローチ
    Genomic Approach to Malaria

    マラリアのベクター,原虫,および宿主――マラリア伝播の 3 要素――のゲノムの塩基配列は,2 年以上前に明らかにされている.このゲノム情報を,マラリア原虫の生活環の受攻期に戦略的攻撃を開始するために利用すれば,マラリアに対抗できる可能性がある.