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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

September 15, 2005
Vol. 353 No. 11

ORIGINAL ARTICLE

  • 非 ST 上昇型の急性冠症候群に対する侵襲的治療と保存的治療の比較
    Invasive versus Conservative Therapy for Acute Coronary Syndromes without ST-Segment Elevation

    非 ST 上昇型の急性冠症候群では,高リスクの患者に対し,早期の侵襲的治療(早期の血管造影後に,適切な場合は血行再建術を行う)が保存的治療(薬物療法が失敗した場合にのみ血管造影を行う)よりも推奨されている.この試験では,早期侵襲的治療は高リスク患者に有益ではなかった.

  • 多発性内分泌腫瘍症 2A 型に対する予防的甲状腺切除術
    Prophylactic Thyroidectomy in Multiple Endocrine Neoplasia Type 2A

    甲状腺髄様癌は,多発性内分泌腫瘍症または家族性甲状腺髄様癌の患者で非常に多くみられ,予防的甲状腺切除術が施行されることが多い.この試験は,甲状腺髄様癌に特徴的に関連する RET 変異の同定後に,予防的甲状腺切除術を受けた患者 50 例を対象とした.患者の 88%には,甲状腺髄様癌の持続または再発を示す徴候はみられなかった.

  • TNF-α 阻害薬に不応性の関節リウマチに対するアバタセプト
    Abatacept for Rheumatoid Arthritis and Inadequate Response to TNF-α Inhibition

    アバタセプトは,T 細胞の活性を調節するリコンビナント融合蛋白である.腫瘍壊死因子(TNF-α)阻害薬で十分な効果が得られなかった関節リウマチ患者を対象としたこの試験では,6 ヵ月の時点で 20%以上の臨床的改善を示した患者の割合は,アバタセプト群で 50.4%であったのに対し,プラセボ群では 19.5%であった.重篤な感染症の発生率は,各群とも 2.3%であった.

SPECIAL ARTICLE

  • 中国における主要死因
    Major Causes of Death in China

    中国の 40 歳以上の男女から成る国民を代表するコホート集団を対象にしたこの大規模研究は,血管疾患と癌が中国の成人の主な死因となっていることを示している.そして,高血圧の管理,禁煙,身体活動の増加,栄養の改善が,おそらく重要な公衆衛生施策となるであろうことを示している.

MEDICAL PROGRESS

  • β サラセミア
    β-Thalassemia

    β サラセミアは β グロビン鎖の産生が減少することにより生じ,多臓器に影響を与え,高い罹患率と死亡率にも関連している.生涯にわたるケアが必要となり,適切な治療にはかなりの費用がかかる.この総論では, β サラセミアの管理に対する最新のアプローチについて論じている.

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • 体重減少,衰弱,発疹を呈する男性
    A Man with Weight Loss, Weakness, and a Rash

    42 歳の男性が,3 年にわたるステロイド依存性喘息,8 ヵ月におよぶ体重減少,2 ヵ月にわたる血尿,そして,数日前から発疹,衰弱,喀血がみられるため入院した.男性には,下腿浮腫,手・足・下肢に触知可能な紫斑,感覚異常を伴う下肢の運動障害が認められた.

HEALTH POLICY REPORT

  • 中国の医療制度の発展
    The Evolving Chinese Health Care System

    この報告で著者らは,中国経済の民営化を背景にした 1980 年代,90 年代の中国の医療制度の悪化について述べている.また,医療へのアクセスと医療の提供を改善するためにこの危機に対処する,中国政府の最近の取り組みについても論じている.

  • 25 年を経た中国の一人っ子政策
    China's One-Child Family Policy after 25 Years

    1979 年,中国は,多くの夫婦に対し,子どもを 1 人に制限する一人っ子政策を導入した.著者らは,この政策による人口増加の減速という成功と,人口における男性比率の増加などの悪影響について述べている.

CLINICAL IMPLICATIONS OF BASIC RESEARCH

  • プリオン病のプラークと病態
    Plaques and Pathology in Prion Disease

    マウスモデルを用いた最近の研究から,プリオンにより誘発されるアミロイドプラークの形成は,それ自体が神経変性の原因ではないことが示唆されている.