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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

April 20, 2006
Vol. 354 No. 16

  • 持続性 ARDS に対する副腎皮質ステロイドの有効性と安全性
    Efficacy and Safety of Corticosteroids for Persistent ARDS

    急性呼吸窮迫症候群(ARDS)の治療における副腎皮質ステロイドの全身投与については,見解がわかれている.この試験では,180 例の患者を対象に,ARDS 発症後 7~28 日のあいだに,コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウムまたはプラセボを投与した.60 日後,180 日後いずれの時点でも,死亡率に有意差は認められなかった.したがって,副腎皮質ステロイドの全身投与による ARDS の治療は推奨されない.

    • 高血圧前症に対する治療的介入
      A Therapeutic Intervention for Prehypertension

      高血圧前症(かつての「境界域高血圧」)の被験者を,カンデサルタンまたはプラセボを盲検下で 2 年間投与する群に無作為に割付け,その後,全例に 2 年間プラセボを投与した.カンデサルタンによる治療で,高血圧の発症リスクが 15.6%低下した(P<0.007).高血圧前症に対する降圧治療の臨床的有用性と最終的な安全性を評価するには,さらに研究が必要である.

      • 小児救急部における胃腸炎に対する経口オンダンセトロン
        Oral Ondansetron for Gastroenteritis in a Pediatric Emergency Department

        胃腸炎による嘔吐と脱水で救急部を受診した小児を対象としたこの無作為化比較試験では,オンダンセトロンの単回経口投与により,嘔吐が減少し,経口補液が促進され,経静脈的補液の実施が減少した.入院する割合は低かったが(4%),オンダンセトロンによる治療で有意には低下しなかった.

        • アテローム血栓性イベントの予防におけるクロピドグレル+アスピリンとアスピリン単独の比較
          Clopidogrel and Aspirin versus Aspirin Alone to Prevent Atherothrombotic Events

          アテローム血栓の高リスクと虚血症状の安定化・管理・予防に対するクロピドグレル(Clopidogrel for High Atherothrombotic Risk and Ischemic Stabilization, Management, and Avoidance;CHARISMA)試験では,安定した心血管疾患または複数の心血管危険因子を有する患者において,心筋梗塞,脳卒中,心血管系の原因による死亡の発生率低下を目的として,クロピドグレル+アスピリンとアスピリン単独を比較した.両群間で転帰に差は認められなかった.

        • CLINICAL PRACTICE

          • 疥癬
            Scabies

            30 歳の男性が,広範囲に及ぶ激しい痒みに気づいた.男性は,ガールフレンドにも同じような瘙痒があると報告している.皮膚の診察では,両手に小丘疹,小水疱,擦過傷を伴う指間病変と,性器に硬化した小結節が認められ,これらの所見すべてから典型的な疥癬が示唆される.この症例をどのように管理すべきであろうか?

          CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

          • 喀血と肺浸潤を呈する男性
            A Man with Hemoptysis and a Pulmonary Infiltrate

            37 歳の医師が,寝汗と喀血を起し,コンピュータ断層撮影(CT)で右肺下葉に腫瘤様の浸潤影が認められたため,呼吸器科クリニックを受診した.男性はそれ以外の点では健康であり,最近のツベルクリン反応は陰性で,身体診察とルーチンの臨床検査結果は正常であった.抗菌薬が処方され,浸潤影は消失したが,寝汗は続いた.3 ヵ月後に再度 CT を行ったところ,同じ肺葉に新たな病変が認められた.診断検査が行われた.