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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

November 30, 2006
Vol. 355 No. 22

ORIGINAL ARTICLE

  • CD4 陽性細胞数に基づく抗レトロウイルス療法の中断
    CD4+ Count-Guided Interruption of Antiretroviral Treatment

    ヒト免疫不全ウイルス感染に対する長期の抗レトロウイルス療法は,合併症の発生率が高い.このような副作用を最小限に抑えるために,一定の CD4 陽性細胞数を維持しながら,抗レトロウイルス療法を計画的に中断する方法が検討されている.5,472 例を対象としたこの無作為化試験では,CD4 陽性細胞数に基づく断続的な抗レトロウイルス療法は,継続的な抗レトロウイルス療法に比べ,日和見疾患,全死因死亡,および重篤な有害事象の発生率の上昇と関連していることが示された.

  • 非アルコール性脂肪性肝炎に対するピオグリタゾン
    Pioglitazone for Nonalcoholic Steatohepatitis

    非アルコール性脂肪性肝炎患者を対象としたこのピオグリタゾンのプラセボ対照無作為化試験では,ピオグリタゾンにより,肝機能検査の結果,肝脂肪量,肝インスリン感受性が改善した.ピオグリタゾンにより,プラセボと比べて,脂肪性肝炎の組織学的異常が有意に減少したが,線維化は有意に減少しなかった.

SPECIAL ARTICLE

  • 急性心筋梗塞における来院からバルーン処置までの時間を短縮するための方策
    Strategies for Reducing the Door-to-Balloon Time in Acute Myocardial Infarction

    病院では,ST 上昇型心筋梗塞患者に対し,病院到着から冠動脈バルーン拡張までの時間(来院からバルーン処置までの時間)を短縮するためにさまざまな方策をとっている.365 ヵ所の病院において,現場を検証するため質問票を用いて調査し,28 の方策を特定した.これらの方策を,メディケア・メディケイドサービスセンターに報告された,個々の患者の来院からバルーン処置までの時間と相関させた.6 つの方策が,来院からバルーン処置までの時間の短縮と有意に関連していた.このような方策の実施により,患者の転帰を改善できる可能性がある.

  • 倫理委員会委員と企業との関係
    Relationships between Institutional Review Board Members and Industry

    倫理委員会(IRB)の委員に関するこの調査では,調査した委員の 36%が企業と関係をもっていると報告した.86%の委員はそのような関係は IRB 関連の決定に悪影響を及ぼすことは決してないと考えているが,少数の委員は,自身が関係をもつ企業やその競合相手から資金援助を受けた研究計画書に投票したことを認めた.

  • 研究における金銭的利害の対立に対する患者の見解
    Patients' Views on Financial Conflicts of Interest in Research

    癌の臨床試験に登録された患者を対象としたこの調査において,大部分の患者は,研究者や医療機関と製薬会社とのあいだで予想される金銭的関係について懸念していなかった.多くの患者は,金銭的関係や利害の対立を防ぐための監視システムに関する情報の公開を求めていたが,金銭的関係について知っていたかどうかが試験参加の決定に影響したと考える患者はほとんどいなかった.

CLINICAL PRACTICE

  • 更年期障害の管理
    Management of Menopausal Symptoms

    51 歳の女性に,苦痛を伴い,仕事や睡眠を妨げるような顔面のほてりがたびたびみられる.また,腟乾燥のため性行為が不快であるという.女性はそのほかの点では健康である.この女性の症状をどのように管理すべきであろうか?

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • 甲状腺癌と下部消化管出血を有する 19 歳の女性
    A 19-Year-Old Woman with Thyroid Cancer and Lower Gastrointestinal Bleeding

    19 歳の女性が,断続的な無痛性直腸出血と慢性鉄欠乏性貧血のため,消化器科専門病院を受診した.女性はその 8 ヵ月前,甲状腺乳頭癌に対して甲状腺全摘術と放射性ヨウ素(ヨウ素 131)の投与による治療を受けていた.診断検査が行われた.