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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

May 17, 2007
Vol. 356 No. 20

ORIGINAL ARTICLE

  • 軽症持続型喘息における治療縮小戦略
    Strategies for Reducing Treatment in Mild Persistent Asthma

    この試験では,1 日 2 回吸入副腎皮質ステロイドの投与を受けている軽症持続型喘息の患者を対象に,同じ治療を続けるか,副腎皮質ステロイド含有吸入剤+長時間作用型 β 刺激薬またはロイコトリエン拮抗薬のいずれかへの切替えを行った.2 つの副腎皮質ステロイド群では喘息のコントロールに差は認められなかった.ロイコトリエン拮抗薬に切り替えられた患者では喘息が増悪する頻度がより高かったが,3 群で症状のない日数の割合に差はみられなかった.

  • 軽症喘息に対するベクロメタゾンとアルブテロールのレスキュー使用
    Rescue Use of Beclomethasone and Albuterol in Mild Asthma

    軽症持続型喘息の患者には,吸入副腎皮質ステロイドの定期的な使用が推奨されることが多い.この試験では,このような患者に喘息の症状が現れたときのみ,ベクロメタゾン吸入剤(250 μg/回)とアルブテロール吸入剤(100 μg/回)を投与した.この群の朝の平均最大呼気流量は,吸入副腎皮質ステロイドを定期的に使用した群と同程度であった.喘息の患者では,定期的な管理治療は必要でない可能性がある.

  • 極低出生体重児であった若年成人の血糖調節能
    Glucose Regulation in Young Adults with Very Low Birth Weight

    この論文で著者らは,極低出生体重児であった若年成人は満期産の若年成人と比べて,インスリン抵抗性が高く,耐糖能異常がみられ,血圧が高値を示すことを報告している.生活習慣に対する介入は 2 型糖尿病と高血圧の予防に有益であると考えられるため,低体重で出生した場合には明らかに高リスクであることを認識することで,介入の機会を提供できる可能性がある.

CLINICAL PRACTICE

  • 抗利尿作用不適切症候群(SIAD)
    The Syndrome of Inappropriate Antidiuresis

    62 歳の女性が味覚異常を訴え,血清ナトリウム濃度が 122 mmol/L であった.血清浸透圧は 250 mOsm/kg H2O,尿浸透圧は 635 mOsm/kg H2O であった.胸部 CT で左肺下葉に腫瘤が認められ,小細胞癌であることが判明した.女性の低ナトリウム血症をどのように治療すべきであろうか?

CURRENT CONCEPTS

  • 進化する HIV ワクチンの概念
    Evolving Concepts on an HIV Vaccine

    ヒト免疫不全ウイルス(HIV)のエンベロープ蛋白がもつ特有の性質により,予防ワクチンを特定する取組みが妨げられてきた.しかし,感染を阻止しなくとも,HIV 濃度を低下させ記憶 CD4+T 細胞を保護するようなワクチンがあれば,リスクのある被接種者と地域社会の双方に有益である可能性がある.現在,T 細胞応答を誘発する数種類のワクチンについて,早期臨床試験が進行中である.この概説では,HIV 感染制御に有効なワクチンを探求するための科学と戦略について要約している.

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • 喘息の女性の心肺停止
    A Woman with Asthma and Cardiorespiratory Arrest

    重度喘息の既往のある 20 歳の女性が,自宅で無反応状態で発見され,救急救命室へ搬送された.喘息は 4 歳で診断され,その後増悪により入院を要したことも数回あった.患者もその母親も,環境管理および薬物療法レジメンを遵守していなかった.患者は入院前の数週間に,喘息の増悪のため何度も救急救命室や診療所を受診していた.女性は救急救命室到着直後に死亡が確認され,剖検が行われた.

CLINICAL DECISIONS

  • 軽症持続型喘息の治療
    Treatment of Mild Persistent Asthma

    この双方向の特集記事では,軽症持続型喘息を有する 30 歳女性の症例を紹介している.女性は,1 日 2 回のベクロメタゾン吸入剤,およびアルブテロール吸入剤の頓用による治療を受けている.女性の喘息はコント ロール良好であるが,本人は投薬の減量を望んでいる.ここでは,考えられる 3 つの治療選択肢を,それぞれに専門家の意見を添えて紹介している.あなたならどの治療選択肢を推奨しますか? www.nejm.org でそのうちの 1 つに投票することができ,ご希望であればご自分の治療の意思決定に関するコメントを投稿することができます.投票結果および寄せられたさまざまなコメントをウェブサイトに掲載します.