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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

September 27, 2007
Vol. 357 No. 13

ORIGINAL ARTICLE

  • チメロサールへの早期曝露と 7~10 歳の時点での神経心理学的転帰
    Early Thimerosal Exposure and Neuropsychological Outcomes at 7 to 10 Years

    この研究では,ワクチンに使用されている水銀含有保存剤チメロサールへの早期曝露と,小児期における神経心理学的転帰とのあいだの関連性を検討した.評価された 42 種類の神経心理学的転帰のうち,確認された有意な関連はごく少数で,その関連性は小さく,正と負の両方が認められた.この結果から,チメロサール含有ワクチンへの曝露によって,小児の神経心理学的機能が低下することはないことが示唆される.

  • 抗 MICA 抗原抗体と腎移植拒絶反応
    Antibodies against MICA Antigens and Kidney-Transplant Rejection

    移植腎機能不全は,HLA の適合性が高くても起こる場合があることから,別の抗原が関与している可能性がある.主要組織適合遺伝子複合体クラス I 関連鎖 A(MICA)抗原には,多型性があり,抗体産生を惹起しうる.この研究では,腎移植レシピエントでの MICA 抗原に対する前感作が,移植腎廃絶の頻度増加に関連することが示されている.MICA 抗原に対する免疫応答は,HLA の適合性の高いレシピエントにおけるこのような移植腎廃絶に寄与する可能性がある.

  • 心血管イベントと極低濃度 LDL コレステロール
    Cardiovascular Events and Very Low Levels of LDL Cholesterol

    新規標的治療(TNT)試験の事後解析において,スタチン投与を受けている患者の高比重リポ蛋白(HDL)コレステロール値から,その後の主要心血管イベント発生が予測できることが示された.さらに,低比重リポ蛋白(LDL)コレステロール値を考慮に入れた場合にも,LDL コレステロール値が極低値(70 mg/dL 未満)の患者の場合にも,予測が可能であることが示された.

BRIEF REPORT

  • 典型的褐色細胞腫の最初の記述における MEN-2 の所見
    Evidence of MEN-2 in the Original Description of Classic Pheochromocytoma

    この論文では,Felix Flankel が最初に発表した褐色細胞腫の記述について,最新の分子学的知見を提示する.その論文では,両側副腎の「肉腫と血管肉腫」を有する 18 歳の女性について述べている.著者らは,その血縁者に接触して評価を行った.そして,生存する血縁者 4 人に生殖細胞系 RET 遺伝子の突然変異が存在することを最終的に立証し,そこから,患者とその家族は多発性内分泌腫瘍症 2 型を有することを示した.

MEDICAL PROGRESS

  • 尿毒症
    Uremia

    「尿毒症」とは,胞外液量や無機イオン濃度の異常,腎臓の既知の生成物の欠如では説明することのできない腎不全に伴う疾患を指すが,その意味が変わりつつある.今日では,尿毒症性疾患の主な原因は,通常は腎臓によって濾過される生体の老廃物(すべてが確認されているわけではないが)の蓄積であると想定されている.この総説では,尿毒症の原因と経過について考察する.

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • 皮膚病変のある新生女児
    A Newborn Girl with Skin Lesions

    満期産で生まれた女児の顔面,体幹,両腕,両脚に多数の皮膚びらんと丘疹が認められたため,当院に搬送されてきた.女児はそれ以外の点では健康で,バイタルサインは正常であった.診断手技が行われた.

SOUNDING BOARD

  • 医療の改善のためにデフォルトオプションの力を利用する
    Harnessing the Power of Default Options to Improve Health Care

    意思決定を行う者は時として,デフォルトオプションに直面する.その選択肢は,代替案が積極的に選択されない場合に実行される.医療の質は,たとえば予防接種を,それを辞退することのない適格な入院患者に行うなどのデフォルトオプションによって向上する可能性がある.著者らは,これらのオプションを戦略的に設定し,公衆衛生の向上のために用いるべきだと主張している.

CLINICAL IMPLICATIONS OF BASIC RESEARCH

  • ウイルスの潜伏期と免疫反応
    Viral Latency and the Immune Response

    ヘルペスウイルス潜伏感染期のマウスは,意外なことに病原細菌の感染に耐性がある.