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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

March 27, 2008
Vol. 358 No. 13

ORIGINAL ARTICLE

  • 横隔膜の廃用と人工換気
    Diaphragm Disuse and Mechanical Ventilation

    横隔膜の運動が一定時間停止したあとの人工換気からの離脱は,困難な場合がある.この研究では,臓器提供時に横隔膜の運動が停止していた脳死患者から採取した生検標本における横断面積および生化学的組成の変化を,胸部手術を受けた患者の同測定値と比較した.データは,約 1 日の運動停止後にみられる横隔膜の萎縮と一致した.

  • 民族を超えて冠動脈イベントの予測因子となる冠動脈カルシウム
    Coronary Calcium as a Predictor of Coronary Events across Ethnic Groups

    アテローム性動脈硬化症に関する多民族研究(Multi-Ethnic Study of Atherosclerosis)において,4 つの民族集団に属する心血管疾患のない男女 6,722 例に対して冠動脈カルシウム検査を行い,中央値で 3.8 年間追跡調査を行った.それぞれの民族集団で,ベースラインの冠動脈カルシウムスコアの増加に伴い,その後の冠動脈イベントのリスクが上昇した.

  • 妊娠中期の子宮頸管長と帝王切開分娩のリスク
    Cervical Length at Mid-Pregnancy and Risk of Cesarean Delivery

    初産の女性を対象としたこの大規模な観察研究において,妊娠中期の子宮頸管長は,正期産の帝王切開,とくに分娩の進行不良に対して行われる帝王切開のリスクの独立した予測因子であった.この研究結果から,正期産の分娩の進行不良は,妊娠のかなり早い時期における子宮の膨張機能不全に関連する可能性のあることが示唆される.

SPECIAL ARTICLE

  • 医薬品審理期限と安全性の問題
    Drug-Review Deadlines and Safety Problems

    処方薬ユーザーフィー法(PDUFA)は,米国食品医薬品局(FDA)による医薬品の承認審査に期限を課している.この研究では,PDUFA の規制により,承認決定が審査期限直前の数週間に集中していることが明らかになった.審査期限直前に承認された医薬品は,普通に承認された医薬品と比べて,その後に安全性に関する問題が発生する率が高かった.

CLINICAL THERAPEUTICS

  • 鎌状赤血球貧血の治療のためのヒドロキシウレア
    Hydroxyurea for the Treatment of Sickle Cell Anemia

    鎌状赤血球貧血の 18 歳の女性が,疼痛を伴うクリーゼの再発のため来院した.ヒドロキシウレアによる治療が推奨されている.ヒドロキシウレアは,胎児ヘモグロビンを含む赤血球産生への変化を引き起こす.ヒドロキシウレア療法により急性白血病のリスクが増加する可能性については,依然として議論が続いている.

MECHANISMS OF DISEASE

  • 心臓の可塑性
    Cardiac Plasticity

    この総説では,心臓が生理的・病的状態に対してどのように反応するかを説明している.運動,妊娠,生後の発育は生理的発育をもたらす.また,神経液性活性化,高血圧,心筋の損傷は肥大性の発育をもたらし,それによって心不全および悪性不整脈のリスクが増加する.一方,心臓の萎縮は,長期にわたる床上安静,長時間の無重力状態,補助人工心臓を用いた機械的負荷軽減などによって生じる可能性がある.

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • 労作時に呼吸困難を呈する 10 歳の女児
    A 10-Year-Old Girl with Dyspnea on Exertion

    10 歳の女児が,呼吸困難と呼吸時の雑音のため受診した.3 週間前に鋭い胸痛と息切れが突然発現し,その後労作による呼吸困難と呼吸時の雑音が生じた.気管支拡張薬を使用しても症状は改善しなかった.診断手技が行われた.

CLINICAL IMPLICATIONS OF BASIC RESEARCH

  • 心臓の関連性,不整脈の予防
    Making Connections, Preventing Arrhythmia

    骨格筋芽細胞に,ギャップ結合蛋白質を発現させる技術がある.この筋芽細胞を心筋梗塞の治療に用いると,不整脈を予防することができる.