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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

November 20, 2008
Vol. 359 No. 21

ORIGINAL ARTICLE

  • C 反応性蛋白が上昇した患者に対するロスバスタチン投与と血管イベント
    Rosuvastatin and Vascular Events in Patients with Elevated C-Reactive Protein

    この試験では,低比重リポ蛋白(LDL)コレステロールが 130 mg/dL 未満で高感度 C 反応性蛋白が 2.0 mg/L 以上の健康な男女 17,802 例を,ロスバスタチン群とプラセボ群に無作為に割り付けた.中央値 1.9 年の時点で,主要心血管イベントの発生率はロスバスタチン群のほうが有意に低かった.

  • 遺伝子型スコアと糖尿病の予測
    Genotype Score and Prediction of Diabetes

    この研究の著者らは,フラミンガム子孫研究の参加者を対象に,糖尿病と関連する 18 個の遺伝子座で一塩基多型(SNP)の遺伝子型を決定した.これらのリスク対立遺伝子に基づく遺伝子型スコアにより糖尿病の新規発症を予測することができたが,一般的な危険因子の知識のみによるリスク予測に比べ,わずかに優れているにすぎなかった.

  • 臨床的危険因子,DNA 変異,そして糖尿病
    Clinical Risk Factors, DNA Variants, and Diabetes

    北欧の 2 つのコホート集団を対象として,16 個の SNP の遺伝子型決定と臨床的要因について検討し,中央値 23.5 年にわたる追跡が行われた.対象者の 11.7%が 2 型糖尿病を発症した.一般的な遺伝的危険因子の多くは,インスリン分泌を増加させる β 細胞の機能を低下させることが示された.リスクモデルにそれらを組み込むことで,将来の 2 型糖尿病発症の予測にわずかな改善がみられた.

  • HIV 感染乳児における早期抗レトロウイルス療法と死亡率
    Early Antiretroviral Therapy and Mortality among HIV-Infected Infants

    HIV 感染乳児に対する抗レトロウイルス療法の開始時期については,薬剤の長期毒性の可能性,耐性リスク,服薬遵守の問題,費用などの理由から議論されている.南アフリカ共和国の HIV 感染乳児 377 例を対象としたこの無作為化試験では,抗レトロウイルス療法を早期に開始することにより,乳児の死亡率は 76%低下し,HIV 進行率は 75%低下した.

CURRENT CONCEPTS

  • 心筋梗塞後の植込み型除細動器
    ICDs after Myocardial Infarction

    心筋梗塞の既往があり駆出率が低下している患者は,致命的な心室性不整脈のリスクが高い.植込み型除細動器(ICD)による治療がもっとも適切な患者がどのような患者であるかは明らかにされていない.治療決定に関わる因子について論じている.

MECHANISMS OF DISEASE

  • 鎌状赤血球症における肺合併症
    Pulmonary Complications of Sickle Cell Disease

    この総説では,鎌状赤血球症における,重複する部分もあるが明確に異なる 2 つの臨床型に関するエビデンスを提示している.一方は血管閉塞クリーゼが疾患の基盤であり,もう一方は血管内溶血に起因する.急性血管閉塞クリーゼ,急性胸部症候群,肺高血圧症はいずれも鎌状赤血球症によくみられる合併症であり,著者らはこれらに焦点を当てて論じている.

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • 慢性連日性頭痛を呈する男性
    A Man with Chronic Daily Headache

    59 歳の男性が,6 ヵ月にわたる慢性連日性頭痛,発熱,筋肉痛のため当院に入院した.口内乾燥,多飲・多尿,咀嚼時の顎の疼痛が発現した.神経画像検査で,下垂体柄に及ぶ硬膜のびまん性の肥厚と増強が認められた.CT では,肺と脾臓に石灰化した結節が認められた.診断手技が行われた.

CLINICAL IMPLICATIONS OF BASIC RESEARCH

  • ウイルス複製の減弱を目的としたコドンの置換え
    Codon Switching to Attenuate Viral Replication

    原理検証研究により,ウイルスの弱毒化は,コドンペアの偏りを解消することで可能であることが示されている.修飾されたウイルスがコードするアミノ酸配列は,野生型ウイルスと同一であるが,おそらく翻訳効率が低いと考えられる.

VIDEOS IN CLINICAL MEDICINE

  • 末梢静脈へのカニューレ挿入
    Peripheral Intravenous Cannulation

    末梢静脈へのカニューレ挿入

    末梢静脈へのアクセスを確保する技能は,すべての医師にとって,きわめて重要であり救命につながる技術である.このビデオでは,静脈カテーテルを用いて末梢静脈にカニューレを挿入する方法を実演している.