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This Week at NEJM.org
NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.
August 7, 2008
Vol. 359 No. 6
ORIGINAL ARTICLES
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広範囲薬剤耐性結核
Extensively Drug-Resistant Tuberculosis広範囲薬剤耐性結核の治療可能性については,重要な課題が複数ある.ペルーで,ヒト免疫不全ウイルスに感染していない広範囲薬剤耐性結核患者 48 例を対象としたこの研究では,地域ベースの構造化された包括的アプローチと,抗結核薬の積極的な使用(患者あたり平均 5~6 剤)により,29 例(60%)が治癒にいたった.
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モノクローナル B 細胞リンパ球増加症と慢性リンパ性白血病
Monoclonal B-Cell Lymphocytosis and CLL慢性リンパ性白血病(CLL)の表現型を有するモノクローナル B 細胞が,わずかではあるが,高感度フローサイトメトリーにより正常血球数の成人の約 5%,リンパ球増加症を有する被験者の約 14%で検出された.リンパ球増加症被験者の群では,最終的に 15%で明らかな CLL が発現した.これらのモノクローナル B 細胞と CLL の B 細胞の基本的な特徴は類似していた.
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血液透析導入患者の線維芽細胞増殖因子 23 と死亡率
Fibroblast Growth Factor 23 and Mortality among Patients Undergoing Hemodialysis血液透析に導入された患者を対象に行われたこの研究では,リンの腎排泄を高めるホルモンである線維芽細胞増殖因子 23(FGF-23)の濃度上昇が,死亡率と独立して関連している可能性があることが示された.FGF-23 が慢性腎臓病患者におけるリン濃度降下戦略の指針となるバイオマーカーであるかどうかは,今後の研究が待たれるところである.
BRIEF REPORT
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合胞体性巨細胞性肝炎における HHV-6A
HHV-6A in Syncytial Giant-Cell Hepatitis合胞体性巨細胞性肝炎は,まれな重度の肝炎である.ある肝ドナーのヒトヘルペスウイルス 6A(HHV-6A)が,レシピエントの疾患の原因であることが判明した.
CLINICAL PRACTICE
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短期旅行時のマラリア予防
Malaria Prevention during Short-Term Travelある一家が,南アフリカ共和国のケープタウン 3 日間,クルーガー国立公園 3 日間,ザンビアのビクトリア滝 3 日間を含むサファリ旅行を計画中である.31 歳の夫は現在薬物による治療を受けていないが,うつ病に対するフルオキセチンの服用を最近中止したばかりである.29 歳の妻は健康であり,妊娠 15 週である.7 歳の子どもの健康状態も良好である.この家族に対して,マラリアのリスク管理と予防をどのように行うべきであろうか?
DRUG THERAPY
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B 細胞性非ホジキンリンパ腫に対するモノクローナル抗体療法
Monoclonal Antibody Therapy for B-Cell Non-Hodgkin's LymphomaB 細胞性非ホジキンリンパ腫の治療の成功率は上がっている.これは主にモノクローナル抗体が治療に利用できるようになったためであり,これが化学療法の毒性作用を回避し,化学療法と組み合わせることで転帰を改善し,不応性の患者の新たな選択肢となっていると考えられる.この論文では,B 細胞性非ホジキンリンパ腫に対する現在のモノクローナル抗体の使用について検討する.
CLINICAL PROBLEM-SOLVING
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第一印象にご用心
Beware of First Impressions64 歳のフィリピン人男性が,4 ヵ月前から中背部痛の悪化,下肢脱力の進行,間欠的な尿失禁・便失禁がみられるため,ボルティモアにある病院を受診した.発熱,肺症状はなかった.
HEALTH POLICY REPORT
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メディケア,卒後医学教育,そして新たな政策の行方
Medicare, Graduate Medical Education, and New Policy Directions深刻化する医師不足に対する多くの専門家の懸念を受けて,著者は,卒後医学教育に対する連邦政府の支援を強化し,プライマリケア医の供給を拡大するための政策上の提案について論じている.