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This Week at NEJM.org
NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.
January 28, 2010
Vol. 362 No. 4
ORIGINAL ARTICLES
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アフリカの乳児におけるロタウイルスワクチンと重症胃腸炎
Rotavirus Vaccine and Severe Gastroenteritis in African Infantsロタウイルスは,世界的に乳幼児の胃腸炎の原因としてもっとも多い.この報告では,ロタウイルスワクチンの有効性について,マラウイと南アフリカの乳児 4,417 例を対象に無作為化試験で検討している.重症ロタウイルス胃腸炎が認められたのは,プラセボ群では 4.9%であったのに対し,統合ワクチン群では 1.9%で,ワクチン有効率は 61.2%であった.
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メキシコにおける小児期の下痢による死亡に対するロタウイルスワクチン接種の効果
Effect of Rotavirus Vaccine on Death from Childhood Diarrhea in Mexicoロタウイルスは依然として,下痢に関連した死亡および合併症の世界的に重大な原因である.2007 年後半からメキシコで実施されたロタウイルスワクチン接種は,5 歳未満の小児における下痢関連死亡率の 35%の相対的低下と関連し,ワクチン接種の適格年齢群であった 11 ヵ月以下の乳児でもっとも大幅な低下がみられた.
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分娩モニタリング時の子宮収縮の内測法と外測法の転帰の比較
Outcomes after Internal versus External Tocodynamometry for Monitoring Laborこの多施設共同無作為化試験では,陣痛を誘発または促進させた女性を対象に,子宮内計測による子宮収縮測定の効果を,子宮外モニタリングと比較した.子宮収縮の内測法実施による分娩手術率の低下はみられず,母親や新生児に関するその他の転帰の改善もみられなかった.
BRIEF REPORT
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重症複合免疫不全症乳児におけるワクチンにより感染したロタウイルス
Vaccine-Acquired Rotavirus in Infants with Severe Combined Immunodeficiencyロタウイルスワクチン接種は広く実施されつつあるが,腸重積のリスクを最小限にするためには,生後早期に接種しなくてはならない.この報告によると,重症複合免疫不全症と診断される前にワクチン接種を受けた児 3 例で,ワクチン株によるロタウイルス感染が確認され,重症の免疫不全患者におけるこの弱毒生ワクチンの安全性についての懸念が生じている.
SPECIAL ARTICLE
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外来診療の自己負担額引き上げと高齢者の入院
Increased Ambulatory Care Copayments and Hospitalizations among the Elderly外来診療の自己負担額を引き上げたメディケアプランと引き上げなかったプランを比較したこの研究では,自己負担額の増加が外来の減少と入院の増加に関連していた.自己負担額が増加することで,本来であれば予防できるはずの入院が生じるため,医療費の総額が増加する可能性がある.
MECHANISMS OF DISEASE
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アルツハイマー病
Alzheimer's Diseaseアルツハイマー病に関するこの総説は,その機序に関するさまざまな知見をまとめ,認知機能低下の基盤についての現在の理解に基づき,それらを関連付けている.ミスフォールドした蛋白の蓄積が原因で,脳に酸化的損傷と炎症性障害が生じ,最終的にシナプスの機能不全が生じる.
CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL
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発育遅延と過敏性を呈する乳児
An Infant with Developmental Delay and Irritability生後 4 ヵ月半の男児が,発育遅延と過敏性のため,当院の小児神経科を受診した.男児は正期産であったが,母親には薬物依存の既往があり,妊娠中に C 型肝炎ウイルスと単純ヘルペスウイルスに感染していた.生後 3 ヵ月の発育は正常と思われたが,4 ヵ月の時点で授乳困難,発育遅滞,過敏性がみられた.診察により痙縮の徴候が明らかになった.診断のための手技が行われた.
CLINICAL IMPLICATIONS OF BASIC RESEARCH
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インスリン分泌に関する洞察
Insight into Insulin Secretion糖尿病モデルラットの遺伝子と分子の精査から,インスリン分泌におけるα2A 受容体と 2 型糖尿病に対する感受性との関連が示唆された.