- 目 次
-
This Week at NEJM.org
NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.
October 25, 2012
Vol. 367 No. 17
ORIGINAL ARTICLE
-
心房細動の初期治療としての高周波アブレーション
Radiofrequency Ablation as Initial Therapy for AFこの研究では,症候性発作性心房細動患者を,初期治療として,高周波アブレーションまたは抗不整脈薬治療に割り付けた.2 年間の心房細動の累積負担に,群間で有意差は認められなかった.
-
アスピリンと大腸癌生存
Aspirin and Colorectal Cancer Survivalこの研究では,ホスファチジルイノシトール 3-キナーゼに変異・活性化を認める腫瘍(全腫瘍の 17%)を有する患者のサブグループにおいて,癌診断後にアスピリンを日常的に使用した場合,大腸癌死亡率が約 80%低下した.
-
居住地域と居合わせた人による心肺蘇生
Neighborhoods and Bystander-Initiated CPR14,000 例を超える院外心停止を対象とした研究において,約 28%が居合わせた人による CPR を受けていた.低所得で黒人が多い居住地域で心停止した患者が居合わせた人による CPR を受ける確率は,高所得で白人が多い居住地域の患者よりも低かった.
-
化学療法に関する患者の期待
Patients' Expectations about Chemotherapy進行癌患者を対象とした調査において,肺癌患者の 69%と大腸癌患者の 81%が,化学療法によって治癒する可能性があるという誤った考えをもっていた.患者と予後について現実的に話をするためのよりよい方法が必要と考えられる.
MECHANISMS OF DISEASE
-
過敏性腸症候群における末梢性機序
Peripheral Mechanisms in IBS過敏性腸症候群の病因には,腔内腸刺激物,腸ミクロビオームの変化,腸内分泌細胞の産物,炎症感受性など,さまざまな末梢性機序が関与していることが示唆されてきた.最近のエビデンスがまとめられている.
HEALTH LAW, ETHICS, AND HUMAN RIGHTS
-
最高裁で争われる裸にしての所持品検査
Strip Searches in the Supreme CourtGeorge Annas が,あらゆる犯罪の逮捕者にルーチンに行われる,裸にしての所持品検査の合憲性を 5 対 4 で支持する 2012 年の米国最高裁の判決について概説する.Annas は,判事らが自身の判断の妥当性を示すために用いた,公衆衛生上および医学上不備のある主張について論じている.
SPECIAL REPORT
-
2012 年の選挙における医療を理解する
Understanding Health Care in the 2012 Election37 の電話世論調査を検討することで,医療を取り巻く政治環境,投票理由としての医療政策の役割,および有権者が大統領を選ぶうえでの特定の医療政策問題の重要性について,米国民がどのように認識しているかの洞察が得られる.
IMAGES IN CLINICAL MEDICINE VIDEO
-
心原性脳塞栓症に対する選択的動脈内血栓溶解療法
Selective Intraarterial Thrombolysis for Cardioembolic Stroke42 歳の女性が,経皮的バルーン僧帽弁切開術のために入院した.心臓カテーテル時の経中隔穿刺後,意識が低下し,めまいが出現し,両眼の視力障害が生じた.
INTERACTIVE MEDICAL CASE
-
胸膜炎性胸痛の複合的原因
A Complex Cause of Pleuritic Chest Painこの双方向の特集記事では,右胸部に,深吸気時と仰臥位で悪化する疼痛を有する 33 歳の男性の症例を紹介する.両脛・両足首の腫脹も認められた.NEJM.org でご自身の診断・治療技術を試してください.
PERSPECTIVE AUDIO INTERVIEW
-
医療と米国の有権者
Health Care and U.S. VotersRobert Blendon 博士が,2012 年の大統領選挙におけるデータと医療の役割について論じている.
CLINICAL DECISIONS
-
砂糖入り飲料の規制
Regulation of Sugar-Sweetened Beverages小児肥満の蔓延をいかにして食い止めるかについて,激しい論争が繰り広げられている.砂糖入り飲料の規制は正しい道となりうるのだろうか? 今回の Clinical Decisions は,本誌に掲載された 3 報の論文のデータに基づいている.NEJM.org で投票しコメントを述べてください.
ANNIVERSARY
-
糖尿病の過去 200 年間
The Past 200 Years in Diabetes科学の進歩にもかかわらず,糖尿病の治療法は依然として明確に規定されていない.この 200 周年記念記事では,過去 200 年間の糖尿病の診断と管理の進展について述べている.