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This Week at NEJM.org
NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.
October 29, 2015
Vol. 373 No. 18
This Week in the JOURNAL
ORIGINAL ARTICLES
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前立腺癌における DNA 修復異常とオラパリブ
DNA-Repair Defects and Olaparib in Prostate Cancer転移性去勢抵抗性前立腺癌で DNA 損傷修復遺伝子に異常を認めた患者 16 例中 14 例で,PARP 阻害薬オラパリブが奏効した.貧血と疲労が主な毒性であった.
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糖尿病患者におけるパクリタキセル溶出ステントとエベロリムス溶出ステントとの比較
Paclitaxel- or Everolimus-Eluting Stents in DiabetesPCI を受ける患者 1,830 例を,パクリタキセル溶出ステントを留置する群とエベロリムス溶出ステントを留置する群に割り付けた.1 年の時点で,標的血管不全,心筋梗塞,ステント血栓症,標的病変血行再建,標的血管血行再建の発生率は,パクリタキセル群のほうが高かった.
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2 型糖尿病における超過死亡
Excess Mortality in Type 2 Diabetesスウェーデン全国糖尿病登録研究によると,一般集団と比較して,2 型糖尿病患者における死亡率は非常に多様であった.大規模な患者群としては超過リスクが認められるが,年齢,血糖コントロール,腎合併症別にみると死亡リスクが低い患者群も認められる.
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有毛細胞白血病に対するベムラフェニブ
Vemurafenib in Hairy-Cell LeukemiaTiacci,Falini らは,ほぼすべての有毛細胞白血病患者に BRAF 変異を認めた.今回このイタリアの研究グループは,米国の研究者らとともに,BRAF 阻害薬ベムラフェニブの奏効率が 90%以上であることを報告している.
SPECIAL ARTICLE
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Shattuck 講演:公衆衛生の未来
Shattuck Lecture: The Future of Public HealthThomas Frieden は,医療と公衆衛生とのあいだには,ときに不信が存在してきたが,両者が次第に相互依存的になってきたことに注目している.特定の公衆衛生的介入が向上すれば,臨床ケアが集団の健康に及ぼす影響が増大する可能性がある.
CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL
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肺腫瘤,胸水,股関節痛を呈する女性
A Woman with a Lung Mass, Pleural Effusion, and Hip Pain36 歳の女性が右肺中葉の腫瘤のため受診した.肺葉切除術が行われ,検体の検査でリポイド肺炎と線維素性胸膜炎の所見が認められた.6 ヵ月後に右股関節痛が出現した.診断が下された.
PERSPECTIVE
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退役軍人保健局を改革する
Reforming the VHA専門家委員会によれば,退役軍人保健局には,戦略的ビジョンとダイナミックな意思決定,リーダーシップの危機に対処するための文化変容,現場の医師の支援に重点をおくことを保証する,新しい統治組織が必要である.
Videos, Images, and Multimedia
IMAGES IN CLINICAL MEDICINE
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鱗翅目幼虫の毒物注入による毛虫皮膚炎
Erucism Due to Lepidoptera Caterpillar Envenomation42 歳の女性が,トリコロールバックモスの幼虫に毒物を注入され,アリゾナ毒物・薬物情報センターに連絡した.毛虫が左肩の上に落ちてきたとき,女性はメスキートの木の下にいた.数分のうちに瘙痒感を伴う蕁麻疹様発疹が出現した.
QUICK TAKE
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TOPARP-A 試験
The TOPARP-A Trial遺伝子検査は現在,前立腺癌の治療アルゴリズムに含まれていない.しかし,DNA 修復機能異常が前立腺癌治療への反応に影響する可能性はないだろうか? 最新の研究知見が,短い動画にまとめられている.
CLINICAL PRACTICE AUDIO
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卵母細胞の凍結保存
Oocyte Cryopreservation卵母細胞の凍結保存は,通常は卵子提供や,性腺毒性がある治療,卵巣が脅かされる手術が理由で行われているが,妊娠を先に延ばすことを選んだ女性にとっても選択肢の一つである.生児出生率に影響を及ぼす因子や不確実性が概説されている.
PERSPECTIVE AUDIO INTERVIEW
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癌の疾患動態の変動
Variability in Cancer DynamicsH. Gilbert Welch が,転移性癌の発生率の動向と,それがスクリーニングと癌に関するわれわれの理解にどのような影響を及ぼすかについて論じている.