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This Week at NEJM.org
NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.
March 31, 2016
Vol. 374 No. 13
This Week in the JOURNAL
ORIGINAL ARTICLES
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ライム病に起因する症状に対する治療
Therapy for Symptoms Attributed to Lyme Disease欧州でライム病に起因する症状が持続している患者を対象として行われた無作為化比較試験では,2 週間の標準治療を受けた患者にドキシサイクリン投与とクラリスロマイシン+ヒドロキシクロロキン投与のいずれかを 12 週間追加しても,利益は認められなかった.
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エストラジオールの閉経後早期投与と閉経後後期投与との比較
Early vs. Late Postmenopausal Treatment with Estradiol17β-エストラジオールによる治療の開始時期を閉経からの経過時間(6 年未満または 10 年以上)で層別化した試験で,治療を閉経後早期に開始した場合,プラセボと比較してアテローム性動脈硬化の進行の抑制に関連したが,閉経後後期に開始した場合は関連は認められなかった.
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刑事犯罪者に対する徐放性ナルトレキソン
Extended-Release Naltrexone in Criminal Justice Offendersオピオイド依存症の既往がある成人犯罪者を対象とした試験において,徐放性ナルトレキソンを投与した群では,通常治療(簡単なカウンセリングと紹介)を行った群と比較して,オピオイド依存症の再発率が低かった.再収監や危険な性行為の発生率は低下しなかった.
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難治性関節リウマチ患者に対するバリシチニブ
Baricitinib in Refractory Rheumatoid Arthritis生物学的疾患修飾性抗リウマチ薬では十分な効果が得られなかった患者を対象とした第 3 相試験において,経口 JAK1・JAK2 阻害薬バリシチニブを投与した患者に,12 週の時点で臨床的改善が認められた.感染症の頻度はバリシチニブのほうがプラセボよりも高かった.
REVIEW ARTICLE
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慢性疼痛に対するオピオイド乱用を予防する
Preventing Opioid Abuse in Chronic Painオピオイド乱用の蔓延は,疼痛緩和管理,オピオイド耐性,オピオイド依存症に対する理解が不完全であることに一部関連している.予防戦略の一つに,オピオイドの神経薬理学とオピオイド使用のパターンに関するデータをさらに広く共有することがある.
SPECIAL REPORT
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感染症危機に立ち向かうための枠組み
A Framework for Countering Infectious-Disease Crises先のエボラ流行により,重大な感染症危機に対する国際社会の備えがいかに不十分であるかが明らかにされた.国際的な専門家グループが,将来の感染症の脅威に対する備え,発見,対応に関する枠組みの概要を述べている.
PERSPECTIVE
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1 日現場体験
Immersion Day実際に行われている医療と,役員室や政策議論の場に届けられる情報のあいだには断絶があり,迅速な対応が求められる組織運営・政策決定の障壁となっている.そこで,Mission Health では,役員,ジャーナリスト,議員,規制者に,日常業務の現場を体験してもらっている.
Videos, Images, and Multimedia
IMAGES IN CLINICAL MEDICINE
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頸動脈海面静脈洞瘻
Carotid–Cavernous Sinus Fistula健常な 18 歳の男性が,自動車事故で頭部外傷を負った.多発性頭蓋内出血,顔面骨骨折,左眼の外傷性散瞳および眼瞼下垂をきたしていた.
NEJM QUICK TAKE
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ライム病に対するより長期の治療
Longer-Term Therapy for Lyme Diseaseダニ媒介疾患であるライム病は,抗菌薬で適切な初期治療を行っても,持続性の関節痛,疲労,神経・認知障害を引き起こす可能性がある.より長期の治療を行うことで転帰は改善するのであろうか? 最新の研究知見が短い動画にまとめられている.
PERSPECTIVE AUDIO INTERVIEW
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現場体験を通して理解を促進する
Promoting Understanding through ImmersionRonald Paulus が,所属する医療制度で行われている,役員会のメンバーに実際の医療提供を教えるためのプログラムについて論じている.