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This Week at NEJM.org
NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.
July 14, 2016
Vol. 375 No. 2
This Week in the JOURNAL
ORIGINAL ARTICLES
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アブレーションと抗不整脈薬増強との比較
Ablation versus Escalation of Antiarrhythmic Drugs植込み型除細動器(ICD)を植え込んだ虚血性心筋症の患者で心室頻拍を認める場合には,カテーテルアブレーションを行うほうが,抗不整脈薬を増強するよりも,28 ヵ月の時点での死亡,心室頻拍ストーム,ICD ショックの発生率が低かった.
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集中治療室における腎代替療法の導入時期
Renal-Replacement Therapy Initiation in the ICU多施設共同無作為化試験において,重症急性腎障害患者を対象に,腎代替療法を早期に導入する戦略と待期的に導入する戦略とを比較した.主要転帰とした死亡率に,群間で有意差は認められなかった.
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化学療法誘発性悪心に対するオランザピン
Olanzapine for Chemotherapy-Induced Nausea化学療法による治療歴がない患者に高度催吐性化学療法を行う際,ニューロキニン受容体拮抗薬,セロトニン受容体拮抗薬,デキサメタゾンといった催吐薬にオランザピンを追加することにより,悪心・嘔吐のコントロールが著明に改善した.
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移植後再発に対するイピリムマブ
Ipilimumab for Relapse after Transplantation同種造血幹細胞移植後に再発した造血器腫瘍は,治療困難であることが多い.小規模の予備試験で,イピリムマブが,そのような患者のサブグループで持続的効果をもたらす可能性があることが示唆された.
REVIEW ARTICLE
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遠隔医療
Telehealthデジタル革命に伴い,遠隔医療は,利用できる場をクリニックから家庭へと広げている.この総説では,最新の動向,障壁と限界,遠隔医療で医療提供が改善される可能性についてまとめている.
CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL
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無反応状態で発見された男性
A Man Found Unresponsive32 歳の男性が,刑務所の房内で無反応状態で発見された後,当院に入院した.黄疸と脳症が認められた.肝機能検査にて異常が認められ,CT にて脳浮腫が認められた.診断検査が行われた.
PERSPECTIVE
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トイレよりも大きな問題
Beyond Bathroomsトランスジェンダーの人々に対する差別は,トイレの利用以外にも,多くの有害な健康への影響に関連している.医学界は,臨床的ケア,研究,支援活動を通じて助けることができる.しかし,ほとんどの医師には,トランスジェンダーの健康に関する専門的知識がほとんどない.
Videos, Images, and Multimedia
IMAGES IN CLINICAL MEDICINE
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中腸軸捻転と腸回転異常を伴う空腸憩室
Jejunal Diverticulosis with Midgut Volvulus and Intestinal Malrotation吸収不良と栄養障害を呈する 67 歳の女性が,腸管移植の可能性を検討するために紹介されてきた.CT で認められた,小腸拡張と,中腸軸捻転を示唆する渦巻き所見(whirl sign)および多数の側副路を動画でご覧いただけます.
CLINICAL DECISIONS
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化学療法誘発性悪心・嘔吐
Chemotherapy-Induced Nausea and Vomitingこの双方向の特集記事では,1 例の症例を提示し,悪心・嘔吐を予防するために行う標準的な前投薬レジメンを支持するエッセイと,オランザピンの追加を支持するエッセイを紹介している.NEJM.org でコメントを述べ,投票してください.
NEJM QUICK TAKE
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心室頻拍に対する薬剤とアブレーションとの比較
Drugs or Ablation in Ventricular Tachycardia反復性心室頻拍は高い死亡率・障害発生率に関連している.植込み型除細動器が有効である場合もあるが,電気ショックには痛みや動揺が伴う.抗不整脈薬とカテーテルアブレーションでも頻拍を抑制することができるが,どちらの戦略がより優れているのであろうか? 最新の研究知見が短い動画にまとめられている.
PERSPECTIVE AUDIO INTERVIEW
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近世の薬剤臨床試験
Early Modern Drug TrialsAlisha Rankin が,16~18 世紀の臨床試験と薬剤承認プロセスについて論じている.