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This Week at NEJM.org
NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.
September 13, 2018
Vol. 379 No. 11
This Week in the JOURNAL
ORIGINAL ARTICLES
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トランスサイレチン型アミロイド心筋症に対するタファミジス
Tafamidis for Transthyretin Amyloid Cardiomyopathyトランスサイレチン型アミロイド心筋症に対するタファミジスの第 3 相無作為化比較試験で,タファミジスは全死因死亡率が低いこと,心血管関連入院率が低いこと,機能的能力と QOL が低下する割合が低いことに関連した.
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小児多発性硬化症に対するフィンゴリモドとインターフェロンとの比較
Fingolimod vs. Interferon for Pediatric MS年齢中央値 16 歳の多発性硬化症(MS)患児 215 例を対象とした試験で,フィンゴリモドはインターフェロンβ-1a よりも,2 年間における MS の再発と MRI 上の新規病変の蓄積の抑制において優れていた.フィンゴリモド群の患児の 5.6%に痙攣が発現した.
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骨髄異形成症候群における残存病変
Residual Disease in Myelodysplastic Syndrome骨髄異形成症候群患者における病勢進行のリスクは,同種造血幹細胞移植後 30 日の時点で,骨髄中に点変異が残存している患者のほうが,そのような変異が認められない患者よりも高かった.
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短報:BRCA2 と卵巣の発達
Brief Report: BRCA2 and Ovarian Development2 人の姉妹はそれぞれ機能喪失型 BRCA2 変異の複合へテロ接合体を有しており,卵巣形成異常が認められた.2 人のうち 1 人から採取した細胞の生化学分析で,DNA 修復欠損が認められた.
IMAGES IN CLINICAL MEDICINE
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肺扁平上皮癌とたばこの使用
Squamous-Cell Carcinoma of the Lung and Tobacco Use63 歳の男性が,咳嗽と最近体重が 10 kg 減少したことを訴えて受診した.CT 撮影で,右下葉に 5.6 cm の腫瘤,右の胸ポケットにたばこ 1 箱とライターが認められ.扁平上皮癌の診断が下された.
CLINICAL IMPLICATIONS OF BASIC RESEARCH
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前立腺癌とチェックポイント阻害
Prostate Cancer and Checkpoint Inhibition前立腺癌では,サイクリン依存性キナーゼ 12 をコードする遺伝子 CDK12 の不活性化体細胞変異により,融合に誘導される新生抗原(neoantigen)が産生される.この知見は,CDK12 の変異を有する前立腺癌はチェックポイント阻害薬に反応を示すという仮説を裏付ける.
PERSPECTIVE
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たばこ業界との基本和解合意
The Tobacco Master Settlement Agreementオピオイドの蔓延,銃による暴力,ファストフードや砂糖入り飲料の過剰摂取,アルコール摂取,気候変動などの多くの公衆衛生問題は,たばこ業界との基本和解合意(MSA)と同様に,訴訟や和解の対象となる可能性がある.
Videos, Images, and Multimedia
CLINICAL PRACTICE AUDIO
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原発性副甲状腺機能亢進症
Primary Hyperparathyroidism軽度副甲状腺機能亢進症の患者は,腎結石,皮質骨の骨量減少,骨折のリスクが高い.50 歳未満の患者と,骨粗鬆症や,腎合併症,臨床的に重要な高カルシウム血症を有する患者には手術が推奨される.
REVIEW ARTICLE
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アスピリン喘息
Aspirin-Exacerbated Respiratory Disease喘息患者の約 7%では,粘膜腫脹,鼻ポリープ,アスピリンおよびその他の COX-1 阻害薬に反応した喘息の増悪がみられる.症状はグルココルチコイド,抗ヒスタミン薬,アスピリン脱感作療法で管理できる可能性がある.
CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL
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鼻出血,前腕の疼痛および紅斑,汎血球減少を呈した男性
A Man with Epistaxis, Pain and Erythema of the Forearm, and Pancytopenia39 歳の男性が,鼻出血,右腕の疼痛および紅斑,汎血球減少を訴えて受診した.好中球減少と単球減少も認めた.画像検査では,脾腫とリンパ節腫脹が顕著であった.診断のための検査が行われた.
NEJM QUICK TAKE
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小児多発性硬化症を治療する
Treating Pediatric Multiple Sclerosis多発性硬化症は一般に青年期に発症するが,症例の 3~5%は小児期早期または思春期に発症する.18 歳未満の患児について FDA の承認を受けている疾患修飾療法はない.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.
PERSPECTIVE AUDIO INTERVIEW
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公衆衛生を守るために法律を利用する
Using the Law to Protect Public HealthCheryl Healton が,たばこ業界との基本和解合意(MSA)と,健康を害するその他の産業に対する訴訟の機会について論じている.