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This Week at NEJM.org
NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.
November 7, 2019
Vol. 381 No. 19
This Week in the JOURNAL
ORIGINAL ARTICLES
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元サッカー選手における神経変性疾患
Neurodegenerative Disease in Former Soccer Playersスコットランド人の元サッカー選手 7,676 人とマッチさせた対照 23,028 人を,死亡診断書を用いて死因を比較した研究において,神経変性疾患による死亡率は,元選手のほうが高かった.認知症関連薬が処方された頻度も元選手のほうが高かった.
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Phe508del アレルを 1 個有する囊胞性線維症患者に対する 3 剤併用療法
Triple Treatment for CF with One Phe508del AllelePhe508del アレル 1 個と最小機能変異を有する囊胞性線維症患者に対するエレクサカフトール,テザカフトール,アイバカフトールの 3 剤併用療法は,FEV1,汗中塩化物イオン濃度,呼吸器症状の増悪件数の持続的な改善をもたらした.
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左主幹部病変に対する PCI と CABG との比較
PCI or CABG for Left Main Coronary Disease無作為化試験で,左主幹部病変を有する患者 1,905 例が,経皮的冠動脈インターベンション(PCI)または冠動脈バイパス手術(CABG)に割り付けられた.5 年の時点で,死亡,脳卒中,心筋梗塞の複合転帰の発生率に 2 群間で有意差は認められなかった.
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心停止後の人工呼吸器関連肺炎
Ventilator-Associated Pneumonia after Cardiac Arrest心停止後,目標体温管理(32~34℃)により治療される患者は,早期人工呼吸器関連肺炎のリスクが高い.多施設共同試験で,心停止後 48 時間のアモキシシリン+クラブラン酸の静脈内投与により,プラセボと比較して,早期人工呼吸器関連肺炎の発生率が低くなったが,人工呼吸器離脱日数や 28 日死亡率への影響は認められなかった.
CLINICAL IMPLICATIONS OF BASIC RESEARCH
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インスリン抵抗性の媒介要因
Mediators of Insulin Resistanceインスリン抵抗性は,2 型糖尿病,アテローム性動脈硬化,非アルコール性肝疾患などの併存病態の前駆要因であり促進要因である.モデルマウスを用いた最近の研究では,細胞のインスリン抵抗性の媒介において,セラミドの増加と,それがミトコンドリア機能に及ぼす影響が示唆されている.
Videos, Images, and Multimedia
IMAGES IN CLINICAL MEDICINE
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肝吸虫
Liver Fluke40 歳の男性が疲労を訴えて受診し,貧血とアルカリホスファターゼ上昇が認められた.内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)が行われた.十二指腸乳頭から現れる扁形動物を動画でご覧いただけます.
CLINICAL PRACTICE AUDIO
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急激かつ高度の血圧上昇
Acute Severe Hypertension標的臓器の急性損傷に付随して起こる急激かつ高度の血圧上昇(高血圧緊急症)は,集中治療室での(標的臓器損傷のタイプに基づく)降圧薬の静脈内投与による緊急治療を必要とする.標的臓器の損傷がない場合は,外来での経口薬を用いた治療となる.
CLINICAL PROBLEM-SOLVING
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ダブルトラブル
Double Trouble51 歳の男性が,4 週間前から続く発熱,悪寒,疲労,関節の痛みを伴う咳嗽を訴えて受診した.咳嗽は,最初は血の混じった痰を伴うものであったが,その後乾性咳嗽となった.マクロライド系抗菌薬による治療が計 2 コース行われたが,状態は改善しなかった.
NEJM QUICK TAKE
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サッカーと神経変性疾患 ― リスクを評価する
Soccer and Neurodegenerative Disease ― Assessing Risk接触を伴うスポーツに関連する神経変性疾患のリスクについて懸念が提起されているが,元プロサッカー選手における発症率のデータは少ない.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.
PERSPECTIVE AUDIO INTERVIEW
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インスリンの価格に取り組む
Addressing Insulin PricesMichael Fralick が,米国でインスリンが高額であることに寄与する因子と,提案される解決策について論じている.