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This Week at NEJM.org
NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.
July 9, 2020
Vol. 383 No. 2
This Week in the JOURNAL
ORIGINAL ARTICLES
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SOD1 変異による筋萎縮性側索硬化症に対するアンチセンスオリゴヌクレオチド
Antisense Oligonucleotide for SOD1 ALSSOD1 変異による筋萎縮性側索硬化症(ALS)の成人に対する第 1・2 相用量漸増試験で,トフェルセン(アンチセンスオリゴヌクレオチド)の髄腔内投与またはプラセボの投与を行った.脳脊髄液中の変異型 SOD1 発現量は最大用量のトフェルセン群でプラセボ群よりも 33 パーセントポイント低かった.
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血管新生と Covid-19
Angiogenesis and Covid-19Covid-19 で死亡した患者 7 例の剖検肺には,インフルエンザで死亡した患者の肺やドナーから提供されたが移植されなかった非感染肺と比較して,大量の重積血管新生(intussusceptive angiogenesis)が認められた.
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重篤な転倒外傷を予防するための多因子戦略
A Multifactorial Strategy to Prevent Serious Fall Injuries転倒外傷は高齢者の死亡と合併症に大きく寄与している.実用的クラスター無作為化試験で,訓練された看護師が多因子介入を行っても,重篤な転倒外傷と判定された初回イベントは,通常の治療を強化した場合と比較して有意に減少しなかった.
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アトピー性皮膚炎に対するネモリズマブ
Nemolizumab for Atopic Dermatitisアトピー性皮膚炎患者を対象とした 16 週間の無作為化試験で,モノクローナル抗体ネモリズマブはプラセボよりも瘙痒の緩和に有効であった.注射部位反応の発現率はネモリズマブのほうがプラセボよりも高かった.
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短報:ウイルスベクターによる家族性筋萎縮性側索硬化症の治療
Brief Report: Treatment of Familial ALS with Viral VectorSOD1 変異による筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者 2 例が,SOD1 を標的とするマイクロ RNA を含むアデノ随伴ウイルスの髄腔内投与を受けた.SOD1 蛋白濃度は脳脊髄液中では変化がみられなかったが,1 例では脊髄 SOD1 発現が減少していた.
CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL
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Covid-19 に罹患したホームレスの男性
A Homeless Man with Covid-19Covid-19 パンデミックのなかで,66 歳のホームレスの男性が咳嗽と鼻汁に対して評価を受けた.ホームレスシェルターでの全員検査プログラムをとおして SARS-CoV-2 陽性と判明し,レスパイト医療施設に入院した.システム全体の管理戦略が実行されている.
Videos, Images, and Multimedia
IMAGES IN CLINICAL MEDICINE
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黒色分芽菌症
Chromoblastomycosis41 歳の農業従事者が,20 年前から徐々に拡大する右下肢の病変を主訴に受診した. 培養で Fonsecaea pedrosoi が発育し,黒色分芽菌症の診断が下された.
REVIEW ARTICLE
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頸椎症
Cervical Spondylosis頸椎を構成する組織の変性は,加齢に伴うほぼ不可避の現象であり,神経根・脊髄の圧迫と疼痛につながる.身体の各種テストと画像検査は障害の原因の特定に役立つ.外科的治療,保存的治療を行うことができる.
NEJM QUICK TAKE
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中等度~重度の瘙痒を抑制する
Controlling Moderate-to-Severe Pruritusアトピー性皮膚炎は慢性再発性疾患であり,その特徴的な症状の一つである瘙痒は,いわゆる「痒みと掻破の悪循環」を引き起こす可能性がある.この状態に陥ると,皮膚は物理的な損傷を受け,炎症反応が増強されることで瘙痒が悪化し,QOL に影響を及ぼす.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.
PERSPECTIVE AUDIO INTERVIEW
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社会的処方を検討する
Considering Social PrescribingMartin Roland が,社会的状況が疾患に影響を及ぼしている場合に,社会的志向の介入を用いる機会について論じている.